1998 Fiscal Year Annual Research Report
タワー状の構造物に発生する特異な空力振動現象メカニズム
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09750563
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Research Institution | Nihon University |
Principal Investigator |
北川 徹哉 日本大学, 理工学部, 助手 (10287584)
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Keywords | 高風速渦励振 / 円柱塔状構造物 / 風洞実験 / 風圧実験模型 / POD解析 |
Research Abstract |
塔状円柱構造物では渦励振の発現風速よりも数倍高い風速域において「高風速渦励振」が発現する.本研究においては高風速渦励振の励振源を調べるために,塔状円柱の風圧実験模型を製作し風洞実験を行った.まず、円柱全体に作用する風圧変動の特性を調べた結果,自由端近傍に周波数の低い圧力変動成分が存在することが明らかとなった.そこで自由端近傍の圧力変動を緻密に調べるために,模型頂部近傍に圧力タップを集中的に配置した模型を用いて実験を行った.すると,カルマン渦の放出振動数の約1/3の周波数を有する圧力変動が検出された.この周波数は,既往の研究において高風速渦励振の励振源であると推測されていた「自由端渦」の周波数に一致していた.したがって,自由端渦は空気力として模型の頂部近傍のみに作用することが明らかとなった.また,圧力模型実験のデータを用いてアニメーションを作成し,頂部近傍に作用する空気力の時間的推移を観察したところ,自由端渦は非定常的に発生する傾向がみられた.この現象を定量的に捉えるために,頂部近傍の圧力変動データにPOD解析を適用した.自由端渦の作用形状が1次モードとして抽出された.次に,この1次モードの時刻歴にウエーブレット変換を適用した.自由端渦は模型の片側から数回連続的に発生した後,発生領域が反対側へ移り,数回連続的に発生するという性質を有することが明らかとなった. さらに,得られた変動圧力データから模型全体に作用する空気力を求め,円柱ロッキング模型を対象とする応答解析を行った.高風速渦励振の発現風速および振幅は実験値とほぼ一致した.この結果は,自由端渦が高風速渦励振の励振源であることを実証するものである.
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Research Products
(6 results)
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[Publications] 北川徹哉: "自由端渦の形成特性に着目した高風速渦励振の発現メカニズムに関する研究" 土木学会論文集. 612/I-46. 229-238 (1999)
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[Publications] 水野裕介: "円柱構造物の高風速渦励振における変動空気力特性" 第15回風工学シンポジウム論文集. 455-460 (1998)
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[Publications] 北川徹哉: "自由端近傍の後流の変化が高風速渦励振の発現特性に及ぼす影響" 土木学会第53回年次学術講演会概要集. 1-B. 46-47 (1998)
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[Publications] 水野裕介: "円筒形塔状構造物の高風速渦励振における変動空気力特性" 土木学会第53回年次学術講演会概要集. 1-B. 44-45 (1998)
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[Publications] KITAGAWA, T.: "Effects of free end condition on end cell induced vibration" Journal of Fluids and Structures. 登載決定済.
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[Publications] KITAGAWA, T.: "An experimental study on vortex-induced vibration of a circular tower at a high wind speed" Journal of Wind Engineering and Industrial Aerodynamics. Vol.69-71. 731-744 (1998)