1997 Fiscal Year Annual Research Report
低応力レベルでの2次圧縮が粘性土の強度特性に与える影響
Project/Area Number |
09750571
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Research Institution | Yokohama National University |
Principal Investigator |
田端 憲太郎 横浜国立大学, 工学部, 助手 (30282958)
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Keywords | 圧密非排水せん断 / 時間効果 / 二次圧密 |
Research Abstract |
本研究では、時間による2次圧縮(時間効果)履歴を受けた正規圧縮(擬似過圧密)粘土について,特に低応力レベルにおける2次圧縮による強度増加の大きさの応力レベル依存性,強度面での降伏応力の変化について検討・考察し,また応力履歴を受けた過圧密粘土との比較を行うことを目的としている.今年度は予圧密土層を用いて時間効果を受けた供試体の作成と,それから得られた粘土を三軸非排水圧縮せん断試験に供して非排水せん断強度特性についての実験的な研究を行った. 間隙比と圧密圧力の関係:予圧密土層内で2次圧縮履歴を受けた粘土の間隙比と圧密圧力の関係は,履歴を受けていない粘土に比べて明瞭に間隙比が低下しており,一方圧縮指数はほぼ等しいことがわかった.また,履歴を受けた粘土を三軸セル内で先行圧密圧力で等方圧密すると,履歴を受けていない粘土の間隙比と圧密圧力の関係に近づいてゆくが一致せず,2次圧縮履歴は等方圧密によって消えていないと思われる. 強度増加率:2次圧縮履歴を受けた粘土強度増加率は,圧縮圧力が大きくなるほど小さくなり,その先行圧密圧力よりもさらに大きい圧密圧力になると履歴を受けていない粘土のそれに近づいてゆく傾向を示した.また先行圧密圧力よりも小さい領域では,圧密時間が長いほど強度増加率は大きくなることがわかった. 非排水せん断強度比:2次圧縮履歴を受けた粘土と履歴を受けていない粘土の非排水せん断強度比は,予圧密レベルに依存しないことがわかった.つまり深さ方向で非排水せん断強度に与える2次圧縮履歴の影響は,それほど大きく違わないと思われる. 以上に示した2次圧縮履歴を受けた正規圧密粘土についての強度特性をもとに,応力履歴を受けた過圧密粘土の強度特性との比較,および不撹乱供試体から得られた実験結果との比較・評価を行う予定である.
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