1997 Fiscal Year Annual Research Report
ツルヨシ群落生態の水理学的アプローチとその河川工学問題への応用
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09750594
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
北村 忠紀 京都大学, 大学院・工学研究科, 助手 (00243064)
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Keywords | 水理 / 河床変動 / 河川 |
Research Abstract |
1.ツルヨシの繁茂条件に関する現地観測 由良川上流域の河道区間をモニタリング区間に選定し,微地形とツルヨシの繁茂状況に関する継続的なモニタリングが行われた.その結果,ツルヨシの繁茂条件として,微地形と流況から推定される冠水頻度が重要な役割を果たすことが明らかとなった.さらに,ツルヨシの繁茂は洪水時の河床変動を制御する傾向にあることも再確認された.今後,さらに継続的な調査により,より大きな洪水時におけるツルヨシと河床の変動状況に関してもデータを収集する予定である. 2.ツルヨシの水理特性に関する検討 (1)ツルヨシ群落の流水抵抗に関する洪水観測 ツルヨシが河道全面を覆っている区間において,洪水時の流量観測と水位観測が行われ,マクロな観点のツルヨシ群落の抵抗特性が明らかとなった.(2)ツルヨシに作用する流体力試験 洪水時にツルヨシに作用する流体力を推定するために,独自に開発した流体力試験器を用いて,空気流中において実物のツルヨシに作用する流体力が測定された.その結果,洪水流中でのツルヨシの変形状態,また変形した状態でのツルヨシに作用する抵抗係数が得られた.(3)数値解析モデルとのカップリング 植生の存在による形状抵抗効果を考慮したk-e乱流モデルにより,上記(2)によって得られたツルヨシの変形状態,抵抗係数に関する情報を用いて,ツルヨシ群落を伴う流れの流速場が計算された.その結果,ツルヨシ群落の流水抵抗,河床に作用するせん断応力の大きさが見積もられた.
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