1997 Fiscal Year Annual Research Report
人工ワンド周辺の非定常水理特性に関する数値解析的研究
Project/Area Number |
09750604
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Research Institution | Wakayama National College of Technology |
Principal Investigator |
木村 一郎 和歌山工業高等専門学校, 環境都市工学科, 助手 (60225026)
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Keywords | ワンド / 間水路流れ / 浮遊砂 / 数値解析 / 浅水流モデル |
Research Abstract |
人工ワンドとは、主に生態系の維持を目的として河川の側岸に設置される入り江状の水域を指し、近年様々な河川で建設が進められている。ワンドの周辺の流れでは、水面の周期的な振動(センシュ)、ワンド・主流界面における大規模組織渦の発振等、非定常現象の存在が従来から指摘されている。本研究は、人工ワンド周辺の流れの非定常性と種々の水理現象との関係を、主に数値解析的手法を用いて検討を行うものである。今年度は特に、流れの非定常性がワンド内の浮遊砂輸送・堆積過程に及ぼす影響について、水理実験と数値解析を用いて検討を行った。 水理実験では、幅25cm、長さ4mの可変勾配アクリル製開水路を用い、浮遊砂のモデルとしては塩化ビニル粉末(比重1.21,平均粒径81μm)を採用した。ワンドの形状は長方形とした。フル-ド数、レイノルズ数、ワンドのアスベクト比等を種々変化させて実験を行った結果、ワンド内の浮遊砂堆積過程はこれらの水理パラメータの値に応じていくつかのパターンに分類できることを示した。 一方、数値解析では、浅水流モデルを用いた簡易的な平面2次元解析とした。水理実験と同条件で数値計算を行い、実験結果と数値解析結果を比較した結果、ワンド内の浮遊砂堆積特性は本数値解析手法により少なくとも定性的には再現されることを確認した。また、時間平均流のもとで行った数値解析結果と、非定常解析の結果の比較から、流れの非定常性はワンド内の浮遊砂堆積パターンに影響を及ぼすこと、界面の大規模渦の発振はワンド内への浮遊砂堆積を促進することなどを指摘した。
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Research Products
(2 results)