1998 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
09750614
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
川崎 雅史 京都大学, 工学研究科, 助教授 (20195077)
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Keywords | 景観 / 色彩 / 土木構造物 |
Research Abstract |
1. 木不材の肌理をもつ伝統的な橋と山並み景観における色彩階調分析 表面素材が木材である歴史的な橋である錦帯橋、渡月橋と周辺の山並み景観を対象にして、平成9年度の研究で確立した色彩階調分析を実施し、その多様性を評価することによって、類似性の程度を比較検証した。 (1) RGB画像データ、HVL画像データの作成および階調分布の記述作業 収集したサンプル写真のうち、ばらつきの少ないデータ3日分の写真データを先に述べたスキャナ入力によりRGB画像データ、HVL画像データに作成し、これらの平均値データにより、階調ヒストグラムを作成した。 (3) 色彩階調分布の分析作業 先の分析視点に基づいて、プロフィール形の特徴をすべてのサンプルデータについて分析し、構造物と山並み景観の多様性の程度を評価し、その類似性を比較分析した。また、山並み景観については、近、中、遠景の距離別に空気遠近に基づく色彩階調の変化を調べた。併せて、石積河川護岸や道路アスファルトの階調を計測し、比較の補助データとして活用した。 2. 赤レンガ、石の肌理をもつ伝統的な構造物と自然景観における色彩階調の比較分析 2と同様の分析過程に基づき、赤煉瓦、石の肌理をもつ下記の対象の伝統的な土木構造物の対象と周辺の自然景観との色彩階調上の関係性を把握した。これらの対象はエージング性の高いつぎの対象を選定した。 (1) 赤レンガの肌理をもつ土木構造物(琵琶湖疎水、布引ダム等)と周辺景観 (2) 石の肌理をもつ土木構造物(通潤橋、河川護岸等)と周辺景観 3. 現代的な素材を用いた土木構造物の汚れに関する色彩階調分析 コンクリートを用いた現代の土木構造物について、色彩階調分析を実施した。とくに、その成立年代に応じて、汚れや風化の程度の異なる対象を河川護岸、ダム、高架道路を中心に選定し、汚れの程度と色彩階調の関係を把握する。また、型枠や目地、スリットなどの入った構造物について同様の分析を試みた。 4. 研究のまとめ-自然景観と伝統的な素材、現代的な素材との比較分析- 2年度にわたり、遂行した上記の研究のとりまとめを行った。とくに、伝統的な自然素材を用いた構造物と自然景歓との色彩階調の類似性の程度、さらに現代的な素材の構造物との差異性などを総合的に比較分析し、エージングと汚れとの差異を明確にするとともに、景観デザインへの示唆をまとめた。
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Research Products
(1 results)