開発途上国都市こみ収集における住民参加プログラムの開発

1997 Fiscal Year Annual Research Report

• Project/Area Number: 09750643
• Research Institution: Maizuru National College of Technology
• Principal Investigator: 四蔵 茂雄 舞鶴工業高等専門学校, 建設システム工学科, 助手 (60259893)
• Keywords: 開発途上国 / 都市ごみ / MSW / 社会分析 / 住民参加

Research Abstract

本研究の目的は、最も深刻にごみ問題に直面しているにもかかわらず、財政的理由から現状では収集サービスが後回しにされている途上国大都市低所得地区に対して、適切なサービスを提供するために必要な収集サービスプログラムを策定することである。
本年度は、都市単位のごみ管理、社会経済的背景に関する現状分析を実施するため、その基礎となるデータの収集と統一フォーマットでのデータ整理を行い、最終的にデータベースとしてまとめた。ごみ管理に関するデータについては、主要なアジアの開発途上国を網羅した画期的なものとなった。
また、このデータベースを用いて様々な分析を行い、各途上国毎の特徴・問題点等を整理した。その結果、(1)各都市毎のごみ発生量やごみ組成の違いは、経済的な要因ばかりでなく、社会・文化的な要因にも強く影響されていること、(2)途上国ではインフォーマル部門による極めて広範囲なリサイクル活動が行われていること、(3)安全な水・サニテーションの確保に比較して、ごみの適切な管理に対する認識は住民、管理者とも低いこと、(4)ごみ管理は一般的に労働集約的であること、等の特徴が明らかにされた。
さらに、ごみ管理の現状の問題点に関しては、ごみ管理財源・人的資源・管理用地の不足等、各都市に共通な要因が指摘されると同時に、人員・オペレーション管理の不適切性、インフォーマル部門や民間部門との協調不足、日常的なデータ管理(収集と整理)の欠乏等、都市によってそのレベルが異なる要因も示された。
今後は、地区単位の情報の収集を行うと同時に、住民の意識調査に基づいた具体的な参加プログラムの作成を行う必要がある。