1998 Fiscal Year Annual Research Report
入力パラメータの不確定性を考慮した構造物の耐震信頼性評価法に関する研究
Project/Area Number |
09750653
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Research Institution | Nagoya Institute of Technology |
Principal Investigator |
趙 衍剛 名古屋工業大学, 工学部, 助手 (50283479)
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Keywords | 耐震信頼性 / 不確定性 / 限界状態関数 / 応答曲面法 / 拡張FORM / 破壊確率 |
Research Abstract |
静的構造信頼性を評価するとき、構造物の力学モデルのパラメータは基本確率変数に含まれ、その不確定性は当然考慮すべきものとしている。一方、構造物の耐震信頼性評価では、不規則振動解析及び最大応答分布の同定が複雑であるため、それらの力学モデルのパラメータはもとより、動的解析に関わるパラメータも一般に確定値と仮定されている。しかし、これらのパラメータに含まれている不確定性は耐震信頼性の評価結果に大きな影響を与える。確率過程と不規則振動論に関する研究が著しく発展を遂げており、動的構造信頼性評価は実用的段階に至っている今、これらの不確定性を考慮して、適切に動的構造信頼性を評価することは大きな課題である。 昨年度では、限界状態関数を応答曲面で近似することにより、現在用いられる拡張FORMにおける感度解析の問題を避け、既存の動的信頼性解析プログラムを用いて、パラメータの不確定性を考慮できる耐震信頼性の実用的評価法を提案した。今年度はさらに確率変数の標準空間で応答曲面法を適用し、解析精度の向上に着目して、簡易2次信頼性解析法を提案した。標準正規確率変数の2次関数で表す応答曲面関数は2次信頼性解析法の限界状態関数と同じの形式を有しており、適用上はかなり便利になる。また、解析手法では、条件付き破壊確率が不確定性を有するパラメータに対する感度解析が必要はなく、既存の動的信頼性解析プログラムの利用し、確定的パラメータを用いた条件付き破壊確率のわずかの繰り返し計算だけで,十分な精度を得ることができることにより実用的な耐震信頼性評価手法として期待される。
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