1997 Fiscal Year Annual Research Report
連続体置換による大規模空間トラス構造物の座屈後挙動解析法
Project/Area Number |
09750655
|
Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
桝井 健 京都大学, 大学院・工学研究科, 助手 (60263109)
|
Keywords | 弾性トラス構造物 / スペースフレーム / 連続体置換 / 塑性流動則 / 座屈 / 座屈後挙動 |
Research Abstract |
(1)トラス構造物から,それを構成する基本構造単位を抽出するための方法論の展開 まず,最も単純な例として1スパン柱型平面ラチス構造物について考察した。この単純例を通じて,置換すべき連続体理論における構造の最小単位である微小要素とトラス構造物を構成する基本構造単位との関係を把握し,その抽出法を一般的な形式で記述した。この際,トラス構造物を構成する基本構造単位として,グリッドと基本ユニットという概念を新たに導入し,その構成条件を明確化した。 (2)連続体理論が従う一般化応力-ひずみ関係へ変換するための方法論の展開 トラスの基本構造単位の変位成分を,置換すべき連続体理論の一般化ひずみ成分に変換する。これにより連続体置換後の一般化応力-ひずみ関係が得られる。一般的な形式でこの変換法を記述することにより,任意のトラス構造物を任意の連続体理論へ適用することが可能となる。置換のための方法論として、連続体のひずみに対応した形式の変位モード指定型と,応力に対応した形式の断面力指定型の2種類を構築し,それぞれについて,一般的方法を導出した。 (3)多軸応力空間内での座屈局面の記述およびそれに対する座屈後ひずみ増分の法線性 一般化応力-ひずみ関係に従う基本構造単位に対して種々の組合せ応力を比例載荷する数値実験を行うことによって座屈曲面を定義した。座屈後の変位成分にしめる幾何学的非線形成分を座屈後ひずみ増分として定義し,これと座屈曲面との間に法線性が成立することを数値的に示した。さらに,座屈前変形を無視した仮定の下では,法線性が厳密に成立することを理論的に証明した。
|