1997 Fiscal Year Annual Research Report
角形鋼管柱を用いた鉄骨造建物における露出型柱脚の耐震性能に関する研究
Project/Area Number |
09750663
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
田中 剛 神戸大学, 工学部, 助手 (90243328)
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Keywords | 露出型柱脚 / アンカーボルト / ベースプレート / 角形鋼管 / 載荷実験 / 有限要素解析 / 引張軸力 / 載荷方向 |
Research Abstract |
本年度は,鉄骨造建物の露出型柱脚に関する国内外の研究資料を再検討するとともに,露出型柱脚の載荷実験を計画した。実験は,基礎鉄筋コンクリート梁と角形鋼管柱からなる試験体に対して油圧ジャッキにより水平力および柱軸力を載荷することにより行う。主な実験変数は,1)柱軸力,2)アンカーボルトの設計(本数、軸径、配置),3)ベースブレートの板厚,4)載荷方向(0°方向載荷、45°方向載荷)である。試験体数は10体を計画し,半数の載荷実験を終了し,現在残りの載荷実験を継続中である。 実験と平行して,露出型柱脚の応力伝達機構および復元力特性を調べるために弾塑性有限要素法による数値解析を計画した。この数値解析は,実験変数の不足を補うためにも用いる。本年度は,特に柱に引張軸力が作用する場合の弾塑性挙動に注目し,柱軸力およびベースプレートの板厚を解析変数とする数値解析を行った。数値解析結果によると,1)引張軸力の存在により露出型柱脚の曲げ耐力が低下すること,2)ベースプレート厚を小さくすることにより,崩壊モードがアンカーボルトの引張降伏からベースプレートの曲げ降伏に移行すること,が明らかとなった。特にベ-ズプレート厚に関しては,慣用的に設計で用いられている方法で算定される板厚よりも薄い板厚により,アンカーボルトの降伏による曲げ耐力を伝達することが可能であることが明らかとなった。また,解析変数が露出型柱脚の弾塑性挙動に及ぼす影響に関して,定量的な数値解析データを蓄積した。
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