1997 Fiscal Year Annual Research Report
気候特性を考慮した住宅用地下室の熱環境計画手法の提案
Project/Area Number |
09750672
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
松本 真一 東北大学, 大学院・工学研究科, 助教授 (70209633)
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Keywords | 地下室 / 環境設計 / 温熱環境 / 冷暖房 / 省エネルギー / AMeDAS / 熱湿気同時移動 / 試験家屋 |
Research Abstract |
需要の増えつつある住宅用地下室の熱環境の設計を、土地々々の気候特性を考慮して合理的に行う手法を確立することが本研究の目的とするところである。研究目的を達成するため、本年度は以下に示す1.〜3.の設定課題について研究を進展させた。 1.気候制御手法の優先度判定の基づく設計用地域区分図の作成 様々な建築気候区分に関する文献調査を行い、Givoniの「Bui1ding Bioc1imatic Chart」による分析が適切であると判断した。その手法に従い、CD-ROMに4枚に整理された15ヶ年分の拡張AMeDASデータや空気調和・衛生講学会の標準気象データを入力として、ある地域を指定するとその地域における環境計画において、どのようなパッシブ/アクティブ制御手法が優先されるべきかを数値で表示するプログラムを作成した。 このプログラムが設計者にデザインツールとして活用されることを想定し、普及の目覚しいWindows95のアプリケーションソフトとして仕上げた。 今後は、このプログラムによる計算結果を分析し、制御手法の適用地域区分図に発展させる予定である。 2.暖房実験に基づく計算プログラム検証用データの整備 既存の半地下住宅の試験家屋を用いて、夏季に冷房実験、冬季に暖房実験を行い、冷暖房エネルギー量など、検証に必要な詳細なデータを整備した。 なお、後者の暖房実験は来年度5月末まで継続する予定である。 3.地下室の熱湿気環境予測計算プログラムの改良 作成済みのプログラム「MULTIBAS」の改良作業の一環として第一に、作動環境をパソコンヘ移行すべく移植作業を行い、加えてオブジェクト指向化した。第二に、地上部分の諸室における温湿度、熱負荷を予測する部分を単独のプログラムとしてまとめ、ベンチマークテストと既往の実測データにより妥当性を確かめた。 地下部分の予測計算に関しては、今後リファインし、検証する予定である。 なお、当初、本年度の計画に含めていた、数値計算による冷暖房・換気システムの検討は、3.に時間を費やしたため、実施に至らなかった。来年度に繰り越して検討する予定である。
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[Publications] 松本真一, 吉野 博: "オブジェクト指向言語による多数室室温・熱負荷解析プログラムの作成とベンチマークテスト" 日本建築学会大会学術講演梗概集. D-2. 151-152 (1997)
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[Publications] 松本真一: "AMeDASデータの事務所ビル熱負荷計算への応用" 日本建築学会環境工学委員会熱環境小委員会第27回熱シンポジウム講演資料. 75-80 (1997)