1997 Fiscal Year Annual Research Report
都市化による街路内の地表面近傍熱環境に関する実測および基礎的研究
Project/Area Number |
09750682
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Research Institution | Tokyo Metropolitan University |
Principal Investigator |
中山 哲士 東京都立大学, 工学研究科・建築学専攻, 助手 (90264598)
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Keywords | 都市気候 / ヒートアイランド現象 / 地表面温度 / 外気温度分布 |
Research Abstract |
都市域での高温化問題(ヒートアイランド現象)についてその実態とそれによる建築への影響、あるいは建築が都市へ与える影響を究明し、都市へやさしい建築のあり方、地球へやさしい都市のあり方を提案するのがこの研究の趣旨である。研究初年度である本年度はまずはヒートアイランドの実態を検証するために都市空間の温度分布、地表面温度分布の実測を中心に検討を行った。本研究では都市の温暖化の一因としてあげられる地表面温度の上昇に注目し、土地利用形態の異なる都市間の地表面温度分布について外気温度と併せて測定を行った。 都市間の温度形成の状況を検討するために平成8年11月に八王子から都心部を抜けて福島県会津郡へ至る道沿いをモデルケースとして地表面温度と外気温度の測定を行った。高速な移動を必要とするため高速道路など特殊な道路が主な解析対象となっていることが問題点としては挙げられるが、周囲の土地利用形態によるマクロ的な解析には十分検討できると考えられる。土地利用形態は宅地率あるいは緑被率等の定義によって評価されるが、一般的にはそれらと都市気候形成との相関は高いといわれている。ただし、これは大気境界層内での風による熱の移動が無いと仮定した場合であって、実際の測定では一義的に要因を言及するまでには至らなかった。本年度の測定ではサーモカメラによる地表面の撮影も平衡して行い、道路幅員内での地表面温度の分布性状についても新たに検証することができた。道路の断面方向の表面温度は車の通過する量や場所により温度分布が数℃程度異なることが分かった。具体的にはその時の天候や通行量により変化すると考えられるのでここでは言及しない。このことにより、地表面温度を測定するポイントの設置位置や方法による測定結果への誤差等について、新たな問題点が浮き彫りとなったが今後の研究への重大な資料となった。
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