1997 Fiscal Year Annual Research Report
演劇における地域創造主体に対応した舞台芸術空間の整備に関する研究
Project/Area Number |
09750688
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
坂口 大洋 東北大学, 大学院・工学研究科, 助手 (70282118)
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Keywords | 舞台芸術環境 / 地域性 / 演劇 |
Research Abstract |
昨年度の研究実績は、大きく3つに分けられる。 1)既存の実践例を中心に文献調査を行い、現在の舞台芸術環境の概念整理とを見る軸の確立を展開した。 2)先進的な取り組みを行っている地域及び劇場に対するヒアリング調査を行った。 3)永年継続して調査している対象地域で、演劇に関わる様々な立場の人と地域において市民を巻き込んだ舞台芸術環境整備の可能性のあるモデルの構築を目指しディスカッションを重ねた。 具体的には、1)については、現在の地域における公共ホールを含めた舞台芸術環境の間題点の分類の指標の仮説の立案を行った。 知見の一つとしては、公演或いは演劇に関わるチャンネルが地域の中にどの程度内蔵されているかが、その地域の舞台芸術環境の整備尺度になり得るのではないかとする仮説に至った。 2)に対しては、市民を巻き込んだ取り組みとした実践例である、岩手県盛岡市の盛岡劇場、福井県今立町の今立芸術館へ劇場の運営者、技術者及び自治体関係者、劇団等にヒアリング調査を行った。 それにより、市民を巻き込んで行く為の方法論として企画段階を含めた公演プロセスとその空間の共有が重要であり、それを保証する為に運営時間や劇場に対するアクセスのしやすさが重要な要因になると考えられる。 3)に対しては、従来行ってきた仙台地域の調査の結果を基本にし、公演の制作者、行政の担当者、ホールの技術者等個々の立場においての、現在の演劇に関わる問題点を共有し、芸術育成と人材育成という二つの立場から現状の問題点を克服する有効なモデルの構築を目指している。 具体的には、レジデントシアターモデルという公設民営という手法で公演毎に市民をコラボレートしていくシステムの検証を考えた。 更に、従来まで入場者としてしかカウントされなかった観客像の想定化にも調査を始めた。
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