1997 Fiscal Year Annual Research Report
二相物質基板上での薄膜成長における自己組織化核生成パターンに関する研究
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09750728
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Research Institution | Japan Advanced Institute of Science and Technology |
Principal Investigator |
菅原 昭 北陸先端科学技術大学院大学, 材料科学研究科, 助手 (90226423)
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Keywords | 自己組織化 / 表面再配列 / 核生成 / 吸着 / 表面拡散 / ナノ領域磁性 |
Research Abstract |
本研究の目的は、二相物質基板上における核生成型の薄膜成長の基礎を調べることである。吸着・拡散エネルギーの大きな差に起因する核発生密度の違いと特異な輸送過程を経る事で、平坦な基板上に細線・ドット列等のナノスケール金属微細構造を自己組織化成長により形成する可能性を指向している。 ・本年度初めに他大学から転入したため、薄膜成長観察装置の設計・製作を主として行い、研究設備の立ち上げを行なった。本年度設備費で購入した超高真空測定計・排気ポンプを用い超高真空真空装置を設計した。この真空装置と表面の原子レベルでの観察を行なうことの出来る走査型トンネル顕微鏡と転結し、自己組織化成長過程のその場観察を可能にする条件を整えた。来年度には、この装置を用いて、半導体・絶縁体からなる二相基板を用いた金属微粒子成長に展開していく予定である。 ・他方、現有設備である分子線エピタキシ-成長装置を用いて、自己組織化成長に適した二相共存型の基板物質探索も行なった。その結果、シリコンをδドープしたガリウム砒素表面で、従来知られていなかった長周期構造を持つ再配列構造を見出した。これは、半導体内部の電子構造が表面構造に大きな影響を与える事を示唆する、重要な結果である。現在、温度および砒素圧力を変化させた場合の出現相を決定する研究を行なっているが、大きく吸着エネルギーの異なる二相共存状態が実現できる可能性があることが明らかになった。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] Akira Sugawara: "Long Period Reconstruction of GaAs(001) Surface" Surf.Sci.Lett.394. 174-178 (1994)
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[Publications] Akira Sugawara: "Self-Organized Mesoscopic Magnetic Strutures" J.Appl.Phys.82. 5662-5669 (1997)
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[Publications] Akira Sugawara: "Room-temperature dipole-ferromagnetism in linear-self-assembling mesoscopic Fe particle arrays" Phys.Rev.B56. R8499-8501 (1997)