1997 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
09750733
|
Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
荒木 秀樹 大阪大学, 工学部, 助手 (20202749)
|
Keywords | 異常拡散 / 高速拡散 / チタン / 高圧力 / 活性化体積 / 拡散機構 / 解離拡散モデル / 不純物拡散 |
Research Abstract |
Ti/Ti-1.93at%Fe拡散対を、温度1223および1273K、圧力0.1M〜3.0GPの下で焼鈍し、EPMAにより濃度-距離曲線を決定し、Matanoの方法およびHallの方法を用いて相互拡散係数を決定した。β-Ti中のFeの不純物拡散係数は、Fe濃度0における相互拡散係数として求めた。不純物拡散係数は圧力とともに減少し、その圧力依存性から算出された活性化体積は、1223Kでは0.27Ω、1273Kでは0.23Ωであった。ここで、Ωは、溶媒金属、すなわち、この場合はTiのモル体積である。Ti及びTi-4at%Fe合金中のFeの拡散の圧力依存性を測定したPeart、GertsrikenとPryanishnikovの研究では、活性化体積の符号はマイナスであると報告されており、本研究結果とは符号が全く正反対である。しかし、Feと同様に、β-Ti中を高速で拡散するNi、Coに関する活性化体積の測定では、0.2Ω程度であると報告されており、符号、大きさとも良く一致している。体心立方金属中の単純な単空孔機構による拡散の活性化体積は0.6Ωであると報告されている。本研究で得られた活性化体積は、それに比べてはるかに小さく、β-Ti中のFeの拡散が、通常とは異なる特殊なメカニズムに従って起こっていることを示唆している。私たちの推算によると、FrankとTurnbullが提案した解離拡散モデルに従って拡散が起こる場合、その活性化体積ΔVは、0【less than or equal】Δν【less than or equal】0.4Ωとなる。従って、本研究で得られたプラスの小さな活性化体積は、β-Ti中のFeの拡散が解離拡散モデルによって起こって
|