1997 Fiscal Year Annual Research Report
電場を考慮した分子動力学法による原子拡散シミュレーション
Project/Area Number |
09750734
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
大久保 忠勝 大阪大学, 産業科学研究所, 助手 (00242462)
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Keywords | エレクトロマイグレーション / 配線 / 原子拡散 / 分子動力学法 |
Research Abstract |
本研究では、LSI配線において信頼性上重要な問題となっているエレクトロマイグレーション現象において、粒界構造、結晶方位、粒径等が原子拡散に及ぼす影響と原子レベルでの構造変化について調べるため、電場中での原子拡散を取り扱う分子動力学シミュレーション手法の開発を行ってきた。このシミュレーションによって、従来理解が不十分であったナノオーダーでの原子拡散過程、その電流密度・温度依存性などが明らかになるものと期待され、今年度は、以下のことを行った。 (1)局所的な電場を考慮した分子動力学計算プログラムの作成 これまで行なってきた二次元分子動力学計算プログラムを三次元に拡張するとともに、以下に示すような電場に関する関数を三次元に拡張した。 ・配線形状、ボイドの形成などで変化する局所的な導電率を求める。 ・試験条件、境界条件を設定し、電位の偏微分方程式を、Gauss-Seidel法によって解く。 電位の勾配である電場を求める。 ・電場から決まる電流密度より力を算出し、原子間力に付加し分子動力学計算を行う。 (2)モデルの作成とシミュレーションの実施 三次元の高融点金属配線上に置かれた単結晶配線について、応力の影響について調べるため、全面がカバーされている構造モデルと、自由表面を持つ構造モデルを作成し、温度、電圧等の試験条件を決定しシミュレーションを実施した。 (3)結果 ・シミュレーションの結果、電流密度が10^<10>A/cm^2のオーダーになると、電子流れに起因する力により陰極側でボイドが生成し、積層欠陥を伴いながら原子が移動することにより、陽極側で配線原子の隆起が観察された。 ・表面カバー原子膜が存在する場合、ボイドの形成、配線原子の隆起は抑制された ・ボイドの生成後、陰極側では応力が緩和され、陽極側では応力集中が確認された。また、原子が隆起している根元での応力集中も確認された。
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Research Products
(1 results)