1998 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
09750745
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Research Institution | Nagaoka University of Technology |
Principal Investigator |
小出 学 長岡技術科学大学, 工学部, 助手 (10272866)
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Keywords | ガラス / 粘度 / 暖和 / 拡散 / ガラス転移温度 |
Research Abstract |
これまで困難と考えられてきたガラス転移温度よりはるかに低い温度におけるガラスの微小な変形量を測定し、その変形機構および粘度の解析を行ってきた。しかしながら、その変形および緩和挙動におよぼすガラス中の水分量の影響について依然不明瞭な点が多い。そこで、シリカガラスを用いてガラス転移温度以下で変形量測定を行う際に、雰囲気の水分量を変化させた場合の粘度および緩和機構の解析を行った。さらに、ガラス中の水分量と緩和挙動の関連性および拡散現象との検討を行った。 ファイバーペンディング法を用いて、ガラス転移温度以下におけるガラスの変形機構および粘度の測定を行った。ガラスファイバーは、直径125μmのシリカガラスファイバーを用いた。測定雰囲気として、大気中、乾燥窒素ガスを液体窒素に通してさらに脱水した乾燥窒素中および80℃の純水に100ml/minの空気を通気させることによって調整した湿潤雰囲気中と様々な条件を用いて行った。このように測定する条件を変えることによってガラス中の水分量を変化させて変形挙動との関連性を検討した。 ファイバーベンディング法を用いて乾燥および湿潤雰囲気において測定を行った結果、湿潤雰囲気において変形量が大きくなることが分かった。また、求められた応力と歪み速度の関係より粘度が算出され、その温度依存性より粘性の活性化エネルギーが求められる。その結果、測定条件を乾燥中から湿潤雰囲気に変えることによって、乾燥と湿潤中の粘度の差は低温になるにつれて大きくなり、湿潤雰囲気の粘度は一桁近く小さくなることが分かった。また、傾きより得られる粘性流動の活性化エネルギーは、乾燥中で143kJ/mol,湿潤中で95kJ/molとなることが分かり、ガラス中の水の拡散の活性化エネルギーに近づくことが分かった。
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Research Products
(1 results)