1998 Fiscal Year Annual Research Report
高分解能電子顕微鏡法によるセラミックス固・液界面の原子構造の研究
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09750749
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
佐々木 勝寛 名古屋大学, 工学研究科, 助手 (00211938)
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Keywords | アルミナ / ムライト / 結晶成長 / 界面拡散係数 / 透過電子顕微鏡 / その場観察 / シリコン / 電子線エネルギー損失分光法 |
Research Abstract |
固・液界面の原子レベルの構造を解析することは、物理学における大きなテーマであった。本研究では、新たに開発した超高温加熱ホルダーを用い、透過電子顕微鏡内で、固・液界面の原子構造と、結晶成長におけるその挙動を観察する事を目的とした。対象物質としては、高真空中でも液層が安定に存在すると考えられる、酸化物系セラミックスを用いた。アルミナにおいては、直径100nm程度の液滴を形成することに成功し、またそれを起点にアルミナウィスカーの成長を観察した。ウィスカーの成長過程においては、原子的にフラットな固・液界面を形成し、モノレイヤー成長が観察された。固・液界面において核生成率、界面拡散係数を直接求めることに成功した。ムライトにおいては、非晶質、及び結晶質母相からの液相の形成を確認した。融解したムライトは、シリカリッチな液相とアルミナに分解した。結晶質ムライトにおいては、固・液界面を原子分解能で観察することに成功した。界面構造は、アルミナと異なり原字的にラフな界面を形成した。 金属アルミニウムの融解凝固過程およびシリコン・アルミニウムの固・液界面の原子構造の観察にも成功た。シリコン・アルミニウムの固・液界面では、1原子層の界面構造が観察された。またシリコン表面へのアルミニウムの拡散のにより、比較的低真空でもクリーンなシリコン表面が安定に形成される現象を見出した。 上記の研究過程において、電子線エネルギー損失分光法が1000℃以上の高温でも適用可能であることを見出した。 本研究により、1000℃以上の高温において様々な物質の固・液界面の構造および組成の解明方法が確立された。
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Research Products
(5 results)
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[Publications] Katsuhiro Sasaki and Hiroyasu Saka: "In-Situ High Resolution Electron Microscopy of Solid-Liquid Interface of Alumina" Mat.Res.Soc.Symp.Proc.466. 185-90 (1997)
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[Publications] T.Kamino, K.Sasaki and H.Saka: "High Resolution Electron Microscopy In Situ Observation of Dynamic Behavior of Grain Boundaries and Interfaces at Very High Temperatures" Microsc.Microanal.Microstruct. 4. 393-408 (1997)
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[Publications] S.Tsukimoto, K.Sasaki, and H.Saka: "Vibration of Interface between Si and SiO_2 during Reduction of SiO_2" Sepc.Symp.Adv.Mat.4. 43-46 (1998)
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[Publications] K.Sasaki and H.Saka: "HREM Observation of Solid-Liquid Interface in Nano-Size Liquid Droplet Formed on Oxide Surfac" Spec.Symp.Adv.Mat.4. 19-22 (1998)
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[Publications] H.Saka, S.Arai, S.Tsukimoto and K.Sasaki: "In situ HPTEM Observation od Solid-Liquid Interfaces" Materlals Science Forum. 294-296. 617-620 (1999)