1997 Fiscal Year Annual Research Report
電着法によるディオプサイド-金属系生体親和性複合材料の作製と評価
Project/Area Number |
09750759
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Research Institution | Akita University |
Principal Investigator |
林 滋生 秋田大学, 鉱山学部, 助教授 (20218572)
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Keywords | 電着法 / ディオプサイド / 生体親和性 / 電気泳動 / 成形 / 厚膜 / 複合材料 / 微粉末 |
Research Abstract |
生体親和性を有するディオプサイド(CaMgSi_2O_6)と機械的性質に優れた金属との複合材料作製を最終目的とし,ディオプサイド微粉末の電着法による金属板上への厚膜状成形を試みた。ディオプサイド微粉末は,前駆体となる沈殿をマグネシウムおよびカルシウムの硝酸塩ならびにオルト珪酸エチルのエタノール溶液に大過剰のアンモニア水を加える共沈法により作製し,これを1000℃12時間で加熱結晶化させた後,窒化ケイ素製ポットとボールを用いた遊星回転ボールミルで粉砕(エタノール湿式,回転速度200〜400rpm)して作製した。電着成形は微粉末を1g/150mlのスラリーに調整した後,ステンレス板(SUS304,40×20×1mm^3)を正負の電極として使用し(電極間隔10mm),直流安定化電源によりスラリー中で電圧10〜200Vを印加,時間1〜10minの範囲で行った。微粉末の堆積は実験条件にかかわらず負極側に起こり,ディオプサイド微粉末はエタノール中で正に帯電していることがわかった。成形厚膜の密度は最も高かったもので50%を越え,成形体として十分緻密なものが得られた。堆積量は高電圧,長時間になるほど多くなったが,それに従って乾燥中に堆積物のはく離を生ずる傾向も増加した。また興味深い現象として,スラリー中の微粉末の粒径(分布)が堆積速度に影響し,高い堆積速度を得るための最適粒径が存在することが示唆された。実験条件の範囲内では電気泳動速度の粒径依存性は無視できると考えられることから,粒径の違いは主に基板上での微粉末の堆積過程に対して影響を及ぼすものと推察された。
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