1998 Fiscal Year Annual Research Report
ゾル・ゲル法による太陽電池の作製(高効率太陽電池の安価な作製をめざして)
Project/Area Number |
09750765
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Research Institution | Aichi Gakuin University |
Principal Investigator |
清 忠師 愛知学院大学, 教養部, 助教授 (30206601)
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Keywords | Solar cells / Work function / Zimc oxide / Coatings |
Research Abstract |
クリーンなエネルギー源として注目されている太陽電池も、いずれはリサイクルが必要となる。薄膜化によって、生産時のみならずリサイクル時のコストも抑えた太陽電池を作成する必要がある。本研究では、酸化チタンと同程度のバンドギャップを有し配向成長の容易な酸化亜鉛を酸化物膜の合成が容易なゾル・ゲル法により作成して、これに固体の増感色素と金属電極を組み合わせることで、全固体型の薄膜太陽電池を作成することにした。 セルの構造は、1)ガラス基板/ITO/ZnO/ZnPc/Auと2)ガラス基板/Al-ZnO/ZnPc/Auの2種類とした。ここで、ITO,ZnPcおよびAl-ZnOは、それぞれインジウム錫酸化物(透明導電膜)、亜鉛フタロシアニン(増感色素)およびアルミニウム添加酸化亜鉛(透明導電膜)を意味する。ZnO膜の焼成時間と導電率およびセル1)のI-V特性との関係を調べ、更に、ZnOの膜厚とセル1)の明-暗I-V特性との関係を調べた。加えて、ポリエチレングリコールをZnOの出発溶液に添加してZnO膜の凹凸を増大させ、この凹凸がセル1)のI-V特性に与える影響を評価した。高価なITOを廃したセル2)については、ZnOに添加するAlの量を1〜6mol%として、I-V特性を調べた。 ZnOの最適な膜厚は、その空乏層厚みに対応する2.0μmであることがわかった。粒径も、これに近くなるようにできるだけ大きくする方が良いことがわかった。ポリエチレングリコールを用いて凹凸を増したZnO膜の方が高い量子効率を示すことがわかった。セル1)は、ZnOと金とのフェルミエネルギーの差に対応する起電力0.2Vを示した。 セル1)に関する結果は、平成10年9月にドイツのザールブリュッケンで開催された国際会議(ICCG'98)で発表し、レフリー審査を経た予稿集がこの7月までに発行される予定である(受理済み)。
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