1997 Fiscal Year Annual Research Report
第3周期遷移金属-アルミニウム-炭素系上のL1_2-E2_1相の相安定性と機械的性質
Project/Area Number |
09750770
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
細田 秀樹 東北大学, 金属材料研究所, 助手 (10251620)
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Keywords | L1_2相 / E2_1相 / 相安定性 / メカニカルアロイング / 化学量論組成 / 結晶構造 |
Research Abstract |
既存の第3周期遷移金属(M)-アルミニウム(Al)-炭素(C)系状態図を基に、L1_2-E2_1相の相安定性を検討した。その結果・M:Al=3:1の組成においてL1_2相が安定に存在する領域はNi_3Al近傍のみであり、それ以外ではE2_1相が安定である。また、M:Al:C=2:1:1のH相との相安定性がL1_2-E2_1の相安定性に大きく寄与していることが示された。 これを基に、本年度は(Mn,Fe)_3AlC,(Fe,Co)_3AlC,(Co,Ni)_3AlC,(Ni,Cu)_3AlC系について合金を作製し、相同定などの状態図的情報の収集を試みた。 合金作製は原料粉末をE2_1相の化学量論組成であるM:Al:C=3:1:1に混合したのち、(1)真空溶解、(2)そのままホットプレスによる拡散-自已燃焼による合成,(3)メカニカルアロイング(MA)-焼結、の3種について検討し、またそれら合金のX線回折、組織観察および熱分析を行った。 その結果、全ての配合組成についてただ一つのL1_2-likeの結晶構造が確認され、すなわちL1_2-E2_1の分離は見られず、したがってこの組成領域ではE2_1-L1_2相が連続する一つの相であることが確認できた。 また、(1)では炭素が大きく偏析すること、(2)では割れが多く、したがって健全な試料を作製できず、また合金化も完全には行えないこと、(3)のMAによる合金化には3-7日程度の時間が必要であるが健全な試料を作製できることが明らかとなった。 このため、今後の実験にはMAを用いる必要がある。 いずれの手法にせよ、合金組成がE2_1相の化学量論組成の場合では単相とならず、主に炭素との2相か、さらなる相を含む3相となった. これはE2_1-L1_2相の安定組成領域が炭素不足側にあることを意味する。 また、多くの合金で1200°C程度に固相反応が見られたが、この反応の詳細は検討中である。
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