1997 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
09750782
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Research Institution | Kitami Institute of Technology |
Principal Investigator |
中西 喜美雄 北見工業大学, 工学部, 教務職員 (80227834)
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Keywords | 着雪氷防止 / 容射 / 疎水性樹脂材料 / 複合化 / 含浸法 / 複合ワイヤ法 |
Research Abstract |
本研究は,超撥水性を有するフッ素化カーボンを有効に利用した着雪氷防止機能を有する皮膜の開発を試み,容射皮膜との複合化について検討を行ったものである。フッ素化カーボンと容射皮膜の複合化方法としては,高分子系樹脂材と混合したフッ素化カーボンを容射皮膜上に塗布・含浸させる方法(含浸法)と,フッ素化カーボンを充填したワイヤを用い容射と同時に直接複合化させる方法(複合ワイヤ法)の2種類を採用した。 [含浸法]含浸法で作製の複合皮膜は接触角が大きく,耐候性にも優れていることがこれまでに明らかとなっている。ここでは,含浸法で作製の試験片を対象に着氷状況と着氷力の観察を行った。試験片はアルミニウム丸棒(φ25×150 )に所定の処理を施したものが主であり,各試験片を-20℃の冷凍室内に24時間放置後,30分間隔で5℃の蒸留水中に長手方向から30回浸漬を繰り返し,観察に供した。氷はフッ素化カーボンを混入したもので若干少ないものの,いずれの試験片も55〜80 程度付着した。これは,何らかの要因によって一旦氷が付着すると,その上に順次付着するようになるため材料表面の性状には影響されなくなるためだと思われる。しかし,氷の付着した試験片を1mの高さからコンクリート平板上に落下させた場合の残存付着量は,フッ素化カーボンを混合塗布したものでは極めて少なく,付着強度が小さいことを示した。 [複合ワイヤ法]フッ素化カーボン入り複合ワイヤを試作し,アルミニウム板上に皮膜を被覆し試験片とした。50×20 の範囲内を4 間隔で接触角の測定を行った結果,バラツキはあるものの120°前後の値が得られた。また,EPMAによってフッ素の面分析を行った結果,濃度に違いはあるもののフッ素化カーボンが分散し複合化しているのが確認された。
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