1997 Fiscal Year Annual Research Report
メカニカルアロイング法によるフラーレン強化合金の創製に関する実験的研究
Project/Area Number |
09750792
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Research Institution | Toyama National College of Technology |
Principal Investigator |
増山 圭一 富山工業高等専門学校, 講師 (80249771)
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Keywords | メカニカルアロイング / メカニカルミリング / ボールミリング / フラーレン / C_<60>,C_<70> / フラーレンポリマー / 分散強化 / 2量体 |
Research Abstract |
本研究は、フラーレンについて以下の着想に基づきメカニカルアロイング(MA)法によるフラーレン強化合金の創製に関する研究を行った。 1)機械的に強く、MAにより金属中に分散が可能 2)金属と混合する場合、溶解法では比重の差や凝固偏析により、均一に混合させることは極めて困難である。また、フラーレンの熱安定性から考えて高融点金属への溶解も不可である。 3)フラーレンは直径10Aと通常の元素に比べて2,3倍大きいが、析出の臨界核よりは小さい。このよな物質が均一に混合した材料はこれまでまったく存在しておらず機械的、物理的特性は非常に興味深い。 本年度は、まずフラーレン粉末のみのミリングを行いミリングに対するフラーレンの構造安定性の確認を行った。その後フラーレン粉末と種々金属粉末とをM-15.7(C_<60>,C_<70>)(mol%)(M=Al,Cu,Fe,Ni,Sn,Ti,Zn)の組成比でMAを行った。添加したフラーレンのMA後の構造の確認は、MA粉末を種々酸溶液で溶解し、その後トルエンを加えて着色の様相を確認するという呈色試験によった。 本年度の成果は、フラーレン粉末のみのミリングにおいては、ミリングにより、出発時のC60の相対割合(C_<60>:C_<70>=80:20)がミリング時間の増加と伴に減少し、長時間ミリングでC120を形成する事が液体クロマトグラフィの結果から示唆された。 次に種々金属粉末とのMAでは、長時間ミリングする事により、金属元素によって添加したフラーレンの構造が壊れるもの、炭化物をつくるものおよび壊れないものの3種類に大別されることが判明し、その傾向が元素の周期律表に従うこと示唆された。 次年度はMA粉末を焼結させ焼結体の機械的特性の評価を行い、これまでの知見を基にフラーレン強化合金の創製に関するまとめを行う。
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[Publications] M.Umemoto: "MECHANICAL ALLOYING OF VARIOUS METAL ELEMENTS WITH FULLERENE" Int.symposium on Designing,Processing and Properties of Advanced Engineering Materials ISAEM-97 Abustracts. 90-90 (1997)
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[Publications] K,Masuyama: "Mechanical alloying of fullerene with various metal elements" International materials research congress,Cancun'97. 5-6 (1997)
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[Publications] 梅本 実: "フラーレンを添加した金属材料の創製とその特性" 季刊 フラーレン. Vol.5・No.2. 111-123 (1997)