1998 Fiscal Year Annual Research Report
水溶液電解における陰極層pH変化の高精度計測による新しい反応解析法
Project/Area Number |
09750798
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
大貝 猛 九州大学, 工学部, 助手 (60253481)
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Keywords | 微小Sb電極 / 陰極界面pH / 金属水酸化物 / 水溶液電解 / 水素発生 / 亜鉛 / カドミウム / 表面処理 |
Research Abstract |
本年度は前年度自作した微小Sb電極を用いて,Ag/AgCl参照電極と複合化させ,pHセンサーとしての高性能化・高精度化について検討した。 まず,以下の方法で複合電極を作製した。 樹脂被覆した微小アンチモン電極を先端部が細く引き伸ばされた外径10mmφのパイレックス管内に挿入し、パイレックス管の先端部とアンチモン電極の先端部が一致するように,パイレックス管に埋め込んだテフロン製ナットおよび微小アンチモン電極と接合したテフロン製ネジで微調整した。更に,パイレックス管の側面部とAg/AgCl参照電極を塩橋で結合し,先端の径が1mmφになる複合電極を作製した。 陰極層pH測定装置の概略および測定方法としては,まず,上記方法で作製した複合電極をXYZ自動ステージに固定し,微小Sb電極とAg/AgCl電極との電位差を、デジタルマルチメーターを通してパーソナルコンピュータで測定した。さらに,定電流電源装置により電解を行いながら、微小Sb電極面と陰極面との距離をXYZ自動ステージにより変化させ、各距離におけるpH値を測定した。 次に,代表的な測定結果について説明する。 硫酸塩浴pH2を用いてCu陰極上にZn-Cr合金電析を行った際の陰極近傍のpHsの陰極界面からの距離依存性を測定した。その結果,陰極界面から0.2mm以内の領域においてpHsはCr(OH)_3生成の臨界pH(pH4)まで上昇していることが判明した。この測定結果により,ZnとCrは複合水酸化物を経由して電析することが判明し,ZΩとCrが独立して電折する機構ではないことが分かった。
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