1997 Fiscal Year Annual Research Report
絶縁性セラミックスへの放電現象を利用した高精度任意形状加工
Project/Area Number |
09750800
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Research Institution | Tsukuba College of Technology |
Principal Investigator |
谷 貴幸 筑波技術短期大学, 機械工学科, 助手 (80279554)
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Keywords | 放電加工 / 絶縁性セラミックス / 補助電極法 |
Research Abstract |
補助電極法を用いることで絶縁性セラミックスの放電加工は可能である.しかし,材料によっては加工特性が著しく劣る場合がある.本研究では,加工特性が劣る酸化物セラミックスの加工特性の向上を目的とし,工具電極材料が及ぼす影響について調査した.さらに,加工メカニズムについての検討も行った. 本方法は絶縁性セラミックスの上部に金属を密着させ,油中で金属側からセラミックスへと加工する.セラミックス表面には常に加工油の熱分解炭素を主成分とした導電性表面層が形成され加工が可能となる.しかし,被加工物が酸化物である場合は,炭素を主成分とした表面層が形成されにくく,加工速度・加工精度は低下する.そこで,炭化反応を促進させるため工具電極にグラファイトを用いて加工した結果,加工速度・加工精度ともに向上した.また,気孔率を大きくして,電極消耗量を増大させるとさらに加工速度・加工精度は向上した. この現象を詳細に調べた結果,次に示す加工プロセスが明らかとなった.(1)極間に存在する電極消耗によって発生したグラファイ粉が,電界の方向に向って柱状に並び,この点に対して放電が発生する.(2)放電の発生によって柱状化した粉は周囲に吹き飛ばされ,放電点から離れた場所に柱状化し放電が発生した.この繰り返しにより放電が分散して発生した.また,単発痕の観察より,グラファイ粉が存在した場合には,より炭素の付着が多くなることも明らかとなった. 以上の結果から,電極消耗により発生したグラファイ粉が表面層の形成を促進させ,さらに放電が分散したため,加工速度および精度が向上したと考えられる.
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Research Products
(1 results)