1997 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
09750810
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
安田 秀幸 大阪大学, 工学部, 助教授 (60239762)
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Keywords | 凝固 / 方位制御 / 電磁気力 |
Research Abstract |
(Bi_<0.25>Sb_<0.75>)Te_3を磁場中で一方向凝固を行い、凝固組織、偏析、熱電能の分布を調べた。また、数値計算により固相・液相の熱伝導率が凝固界面形状、温度分布・濃度分布に影響を与えるかを評価し、偏析の原因について考察を行った。 成長方向の濃度分布は半径方向の偏析のため濃度の絶対値に違いはあるが、磁場印加による顕著な差違は認められなかった。8Tまでの磁場の印加は半径方向の偏析を生じ、その大きさは磁場の強さが増加するにつれて増加した。 数値計算により、液相の熱伝導率が固相の熱伝導率より大きい半導体では成長界面は凹型になることが示された。磁場による対流が抑制され、界面付近の溶質の移動が拡散により支配されているとすると中心部にBi_2Te_3が濃化することは説明される。しかし、その偏析の大きさは実験結果に比べて非常に小さく、界面付近の溶質の移動が拡散が支配しているとは考えられない。磁場により対流が抑制された結果、対流による物質移動と拡散による物質移動が干渉したと考えると実験結果は定性的には説明できることが分かった。 包晶反応により生成される材料は、鋼から酸化物超伝導体に比べて多種多様である。その凝固組織も共晶組織に比べて多様性に富んでおり、包晶凝固の制御は種々の可能性を秘めていると思います。例えば、TbFe_2あるいは(Tb, Dy)Fe_2は磁歪材料としてマイクロアクチュエーターなど応用が考えられ、状態図はBi-Mn系に類似している。磁場中で包晶系Bi-Mn合金を凝固あるいは半溶融凝固させ、磁場の凝固組織に与える影響をしらべた。半溶融凝固では、初期組織により凝固組織の配向が強く影響した。急冷凝固粉末はMnを過飽和に固溶したBi相、BiMn相、Mn相から形成されるが、この粉末を用いた成形体を固液共存域に保ち、磁場中で包晶反応を起こすことにより、BiMn化合物が配向することが見いだされた。
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