一方向凝固法によるAI_2O_3-Y_2O_3系共晶酸化物/炭化物系強化繊維の複合化

1997 Fiscal Year Annual Research Report

• Project/Area Number: 09750811
• Research Institution: Hiroshima University
• Principal Investigator: 吉田 誠 広島大学, 工学部, 助手 (80277847)
• Keywords: composite / eutectic / SiC / Al203 / YAG / solidification

Research Abstract

本研究では、酸化物共晶合金(Al203-YAG)とSiC(長繊維またはウィスカ-)を溶融状態で複合化させ、次世代超高温材料を一方向凝固法を用いて製造することを最終目的としている。そのためには、溶融酸化物とSiCが共存する状態において互いに熱力学的に安定に存在することが必要である。平成9年度においては、熱力学安定性を実験的、理論的に検討した。実験的には、酸化物共晶合金とSiCウィスカ-粉末を混合、アーク溶解して複合化し、XRD,MDG(微小部エックス線回折),WDX,SEM,OPをもちいて反応式の検討を行った。この結果、アーク溶解によって液相の温度が上昇するとSiCは酸化物融液を還元し、一酸化炭素、または二酸化炭素を生成すると同時に金属Si相を生じることがわかった。また、アークの出力、および時間を短くすることで凝固後に酸化物とSiCを共存させることが可能であることがわかった。この試料(複合材料)をEPMA,SEM等で観察した結果、YAG初晶が多くみられ、SiCとの反応によってアルミナ成分が還元されたことを示唆した。また、得られた複合材のビッカース硬度およびインデンテーションフラクチャー法によって常温靱性値を評価した。現在、一方向凝固法による複合材料の製造とTEMによる酸化物とSiCの界面の微視的構造解析に取り組んでいる。