1997 Fiscal Year Annual Research Report
架橋切断量を定量可能な解重合による石炭の高分子網目構造評価と統計モデルによる近似
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09750816
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| Research Institution | Hokkaido University |
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Principal Investigator |
林 潤一郎 北海道大学, エネルギー先端工学研究センター (60218576)
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| Keywords | 石炭 / 架橋構造 / 酸素酸化 / 解重合 / 配位数 / ベ-テ格子 / 溶剤抽出 |
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| Research Abstract |
本研究は,熱分解反応が進行しない低温域で架橋切断量を測定可能な解重合法として酸素酸化法を提案し,酸化機構と解重合特性を明らかにした上で,この方法を架橋切断量と低分子生成量の関係を定量する解重合法として確立することを目的とする.実験では,Morwell炭(ML)粒子を0.5N Na_2CO_3水溶液に懸濁して85℃に加熱し,懸濁液に常圧の酸素ガスを100mVminの速度で連続的に1.5〜12時間吹き込んだ.処理生成物は,固体(酸化炭),水溶性重質物ならびに水溶性脂肪酸に分離回収した.酸化処理生成物の分析の結果,以下のことが判明した.(1)酸素分子は,100mol炭素あたり最大で11mol消費される.(2)酸化処理により芳香族炭素が減少するが,脂肪族炭素は保存される.(3)カルボキシル基,カルボニル基が増加するが,フェノール基は減少し,エーテル基濃度は変化しない.(4)シュウ酸,ギ酸などの脂肪族が生成する.以上の結果から,石炭構成分子の基本骨格である芳香族環のみが選択的に分解されて脂肪酸となり,同時に架橋が切断され,含酸素末端基となることが示された.芳香族炭素の減少量,脂肪酸生成量とカルボキシル基,カルボニル基の生成量(Δ[CO,COOH])は,直線関係にあり,末端酸素官能基の生成量(架橋の減少量)とクラスターの減少量の間には一定の関係があることがわかった.以上のことから,生成したカルボキシル基およびカルボニル量から架橋の減少量を求めることが可能であると判断された.原炭,酸化炭を種々の溶媒を用いて抽出したところ,いずれの試料についてもドナー数が20以上の単独あるいは混合溶媒を用いた場合,抽出率は溶解度パラメータが12付近で最大となった.この結果から,酸化炭の抽出率を溶解度パラメータの関数として与え,同時に最大抽出率から低分子生成量を定義できることが示された.
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[Publications] J.-i.Hayashi: "Depolymerization of Lower Rank Coals by Low-Temperature O_2 Oxidation" Energy & Fuels. Vol.11,No.1. 227-235 (1997)
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[Publications] J.-i.Hayashi: "Quantitative Evaluation of Coal Degradability due to Inter-Cluster Bond cleavage by Means of a mild O_2 Oxidation in Aqueous Phase" 9th International Conference on Coal Science Proceedings. vol.I. 309-312 (1997)
