1997 Fiscal Year Annual Research Report
物質収支式を直接利用した動画像処理による光学的可視化流動画像の定量的計測
Project/Area Number |
09750818
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
野中 利之 東北大学, 大学院・工学研究科, 助手 (50237856)
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Keywords | 界面輸送現象 / 時空簡微分法 / 動画像処理 / 流れの可視化 |
Research Abstract |
1.シュリーレン装置を用いた液々界面流動現象の観察 液々二相流体系における界面撹乱現象に起因する流動挙動をシュリーレン装置を用いて可視化し、デジタル画像に変換した。ビデオ観察からレイリー数が小さくなると密度差に基づくと思われる流れが弱くなることが確認された。 2.既往の時空間微分法による速度分布の計算 デジタル化された流動画像に対して、画像をブラックボックスとみなす時空間微分法を用いて、画像の速度分布を求めた。流れが存在する領域で速度ベクトルを良好に検出することが分かった。また、流れが弱くなると、検出される速度ベクトルが減少した。 3.液々系を対象とする数値シミュレーションプログラムコードの作成 実験系に対応する数値シミュレーションのプログラムコードを作成した。プログラムコードは、有限差分法およびADI法を組合わせた方法に基づくものとした。第一段階として研究室所蔵のワークステーションを用いて小規模の数値計算を実施し、濃度場と速度場の経時変化を求めた。離散化に伴う誤差の影響を把握するために、濃度を仮想的に画像の濃淡値とみなして時空間微分法を適用したところ、速度ベクトルの大きさが速度場のものと良好に一致することが分かった。しかし、速度ベクトルの方向については、時空間微分操作に離散化誤差が混入するためか、速度場のものと多少のずれが見られた。また比較のために、初等的な移動検出法であるフレーム差分法を行なってみたが速度ベクトルの大きさとは定量的に一致しないことが確認された。これらの結果の一部は、化学系7学協会東北地方大会(盛岡、1997)で発表した。
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