1997 Fiscal Year Annual Research Report
光ファイバを用いた耐食性FRP機器におけるモリタリング機能の発現に関する研究
Project/Area Number |
09750822
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
久保内 昌敏 東京工業大学, 工学部, 助教授 (00186446)
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Keywords | 光ファイバ / FRP / IR / モニタリング / スマートマテリアル / 耐食性 / 加水分解 |
Research Abstract |
繊維強化複合材料内に光ファイバーを用いて、材料の応力状態や温度等の情報を取り出せるようにしようとするスマートマテリアルの一つとして、化学プラント用の耐食FRPに光ファイバーを埋め込んで、FRPの化学変化をモニタリングする方法の確立を目的とした。 今年度は、光ファイバーと赤外分光分析装置(FT-IR)とを組み合わせて、光ファイバー内の多重反射を用いた官能基の分光分析を試みた。その手始めとしていわゆるシングルモードと呼ばれる大口径の光ファイバーを使用したところ、目的とする加水分解が検出される1500〜1800cm^<-1>程度の波長域を含めて、残念ながら殆ど光エネルギーの透過が認められなかった。そこで、赤外領域の吸収が非常に少ないカルコゲナイト製の特殊ファイバーを用いることにした。コア径400μmのガラスクラッドGeAsSe系のファイバーと、同じくコア径400μmのAsS系テフロンクラッドファイバーを用意した。しかし、この場合にもなかなか分光装置で赤外領域の光の透過は認められなかった。また、これらのファイバーは脆性的で、モジュールの作製時において非常に折れやすく、こういった問題を解決する必要ができた。最終的には、透過する光のエネルギーを増すことと、折れ難くするために数本を束ねて用い、さらに分光装置内の光軸合わせのために可視用の光ファイバーも同時に取り込んだり、ファイバーの両端研磨等の工夫を重ねた結果、わずかながら分光装置に透過の認められるモジュールの作製に成功した。
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