1998 Fiscal Year Annual Research Report
量子サイズ超微粒子の粒子径分布の直接測定と粒子径分布の制御方式に関する研究
Project/Area Number |
09750828
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
佐藤 博 大阪大学, 大学院・基礎工学研究科, 助手 (60283743)
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Keywords | 超微粒子 / 逆ミセル / 粒子径分布 / ポピュレーションバランス / 半導体 / 金属硫化物 / 電子顕微鏡 |
Research Abstract |
本年度は前年度の研究成果を基に、逆ミセル系で調製された超微粒子の粒子径分布を顕微鏡観察によって測定し、粒子径分布の精密な制御に必要な粒子径分布を定量的に取り扱った粒子生成モデルを構築した。 顕微鏡による粒子径分布の測定には粒子と逆ミセル形成に用いた界面活性剤との分離が必要で、さらに分離操作における粒子径変化の抑制が必須である。まず粒子調製後の逆ミセル溶液にチオフェノールを加えて粒子表面を被覆・保護し、沈殿した粒子を回収して溶液中の界面活性剤と分離した。沈殿は極性溶媒中に再分散できる。粒子径変化が抑制できたことを吸収スペクトルで確認し、粒子径分布を透過型電子顕微鏡で測定した。 粒子生成の各過程を定量的・速度論的に評価するため、粒子径の経時変化の吸収スペクトル測定による追跡を検討した。吸収スペクトルに現れるエキシトンピークの波長と顕微鏡観察から得た粒子径との相関を検討した。その結果は既往の調製法で調製された粒子のものとほぼ一致し、Wellerらが提案した理論式で表現できた。 粒子生成過程をモデル化し、粒子調製開始直後からの粒子径分布の経時変化についてのシミュレーションを行った。粒子径分布の取り扱いは一般的なポピュレーションバランスを用いた。粒子は逆ミセル内に存在するため、粒子径の分布に加え、粒子の各逆ミセルへの分布も考慮した。本研究で取り扱った金属硫化物の場合、粒子成長が非常に短時間で完了するため、粒子凝集のみを考慮した。凝集速度と粒子径の関係はへテロ凝集理論を利用し、粒子表面電位を一定とした。この関係のパラメータは平均粒子径の経時変化から求めた。 シミュレーション計算で得られた粒子径分布は、電子顕微鏡観察による測定結果とよく一致した。以上の研究成果は現在投稿中である。さらに、この知見を基に高濃度の超微粒子の調製を行い論文として発表した。
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Research Products
(1 results)