1997 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
09750832
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
高橋 憲司 北海道大学, 大学院・工学研究科, 助手 (00216714)
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Keywords | 超臨界流体 / 二酸化炭素 / 電極反応 / カルボキシル化 / 電子移動 / 溶解度 |
Research Abstract |
本年度は、以下に示す成果が得られた。 1 光学窓付き高圧電解セルの開発 高圧下で電極反応を行い、かつ分光学的手法により反応を追跡できるよう、4つの光学窓を設けた電解セルの設計および製作を行った。セル本体の材質はSUS304で、100x100x100mmの立方体型である。各側面に直径30mmの石英光学窓を設けた。内容積は、約170cm3である。3つの電極を設置できるように、特殊シール型電極を用いた。耐圧は15Mpa、温度制御は、±0.2℃(310K付近)の精度で可能であった。 2 支持電解質の溶解度と共溶媒 非水系溶媒の支持電解質としてよく用いられているテトラアルキルアンモニウム塩は、超臨界二酸化炭素にはほとんど不溶であった。そのため、電気二重層が非常に厚く、通常の電解電圧では、電解合成に有効な電流を流すことは不可能であった。そこで、支持電解質を可溶化するためにジメチルホルムアミドを共溶媒として用いた。共溶媒添加により、電解合成に有効なファラデー電流を効率よく流すことが可能となった。 3 電解カルボキシル化反応 塩化ベンジルを反応基質として用いた、電解カルボキシル化反応につて、現在実験を進めている。この反応の特徴は、超臨界二酸化炭素を反応溶媒かつ反応基質として用いる点にあり、二酸化炭素の固定化としても有用である。 電気二重層の厚みは、イオン濃度の平方根に反比例するので、支持電解質を如何に溶かすかが電解合成実現のためのキ-ポイントとなる。今後は、超臨界二酸化炭素に溶けやすい支持電解質の合成および支持電解質を溶かしやすくする反応基質を用いた電解合成についての検討を行う予定である。
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