1997 Fiscal Year Annual Research Report
化学気相浸透法によるセラミックス傾斜機能材の製造とプロセスモデリング
Project/Area Number |
09750837
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
河瀬 元明 京都大学, 大学院・工学研究科, 助手 (60231271)
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Keywords | 傾斜機能材 / セラミックス複合材 / C / Cコンポジット / 炭化珪素 / 化学気相浸透法 / CVI / CVD |
Research Abstract |
本研究では,炭化珪素/炭素傾斜機能材の母材部分と表面層を連続して気相合成することにより、組織の連続化をはかり,耐剥離性を向上させることを目指している。本年度の主な成果は以下の通りである。 1.化学気相成長法による炭化珪素ならびに炭素の共成長の速度解析 プロパンとジメチルジクロロシランの混合ガスを原料とし,ヘリウム雰囲気中で炭化珪素と炭素の同時成膜を行った。今回購入した油回転真空ポンプを用いて,減圧下で実験を行った。ジメチルジクロロシランの添加によりプロパンの分解速度が増大し,得られる膜組成も炭素に富んだものになることがわかった。炭素成膜反応速度定数をジメチルジクロロシランの濃度の関数として表す実験式を求め,膜組成の予測を行ったところ,共成膜時の成膜速度ならびに膜組成を再現することができた。 2.化学気相浸透法による繊維強化傾斜機能機材の製造 今年度新たに設計したCVI実験装置を用いて,過熱温度1080℃,全圧50Torr,ヘリウム雰囲気で繊維強化傾斜機能材の製造実験を行った。CVI反応の基材となるプリフォームには,炭素繊維の束を3D織りによって成形したものを使用した。反応原料は,1と同様である。C/C複合材部分を緻密化した後,原料組成を経時的に変化させながら表面コーティング層の作製を行った。得られたサンプルの断面をエネルギー分散型X線分光分析装置を用いて分析したところ,表面コーティング層内で組成がCからSiCへと連続的に変化していることがわかった。また,再表面のX線回折の結果より,最表面部分はβ-SiCとなっていることが確認できた。
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