1997 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
09750842
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
上江洲 一也 九州大学, 工学部, 助手 (40253497)
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Keywords | 界面鋳型重合 / 分子インプリント法 / 人工酵素 / 分子認識 / 触媒 / エマルション / 樹脂 / 分子設計 |
Research Abstract |
本研究では,界面鋳型重合法を用いて樹脂表面に分子を精密に配置して,人工酵素の機能(分子認識能および触媒機能)を発現させることを目的とする。具体的には,酵素キモトリプシンの活性部位に存在する3つのアミノ酸残基(アスパラギン酸,ヒスチジン,セリン)に相当する機能性モノマーを設計・合成し,それらの機能性モノマーを適切に配置固定して高い触媒能を発現させることである。機能性モノマーに要求される物性として,3つのアミノ酸残基に相当する官能基をもつだけでなく,高い界面活性をもつ必要がある。アスパラギン酸,セリンに相当する機能性モノマーとしては,市販のオレイン酸とオレイルアルコールが侯補となるが,ヒスチジンに相当する機能性モノマーは存在しなかった。そこで,ヒスチジンに相当する機能性モノマーの設計・合成を本研究1年目の目標とした。ヒスタミンオレイルクロリドとオレイン酸クロリドから新規機能性モノマー(オレイルイミダゾール)を合成した。オレイルイミダゾールの触媒活性を評価するために,ゲスト分子(基質類似物)存在下でコバルトイオンを中心とした錯体を形成させた状態で界面鋳型重合を行い,鋳型樹脂の加水分解活性を評価した。鋳型樹脂は,基質の白己加水分解および非鋳型樹脂の加水分解活性と比較して非常に高い触媒活性を示した。また,ゲスト分子を加えずに調製した鋳型樹脂の触媒活性が低いことから,明らかに基質類似物を認識する加水分解触媒樹脂を調製できたといえる。今後は,この触媒能を劇的に向上させるために,3つのアミノ酸残基に相当する機能性モノマーを適切に配置することを試みる。
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Research Products
(1 results)