1997 Fiscal Year Annual Research Report
粒子径制御された貴金属超徴粒子を固定化した多孔質結晶体の開発
Project/Area Number |
09750857
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
長田 秀夫 九州大学, 工学部, 講師 (70221463)
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Keywords | 貴金属超微粒子の固定化 / ゼオライト合成 / 粒子径制御 / マイクロエマルション |
Research Abstract |
本研究では、マイクロエマルションを利用して生成した貴金属超微粒子をゼオライト等の多孔質結晶体へ固定化することを試みる。本年度はゼオライト合成に適したアルミノシリケートゲルへのロジウム超微粒子の固定化法について検討した。固定化する多孔質結晶体はZSM-5ゼオライトおよびA型ゼオライトとした。まず最初に、界面活性剤にポリオキシエチレン(5)-p-ノニルフェニルエーテルを、有機溶媒としてシクロヘキサンを用いて調製したロジウム超微粒子をシリケートへ固定化したものを用いて水熱処理を行い、ZSM-5ゼオライトの合成を試みた。水熱処理する前のロジウム超微粒子の粒子は粒子径の均一な約3nmのものであったが、水熱処理後のロジウム粒子径は約13nmと大きく、粒子径分布も幅広いものとなった。これは、ZSM-5ゼオライトの合成温度が160℃と比較的高温であるため、合成中にロジウム粒子の凝集が起こったものと考えられた。そこで、室温付近でも合成が可能なA型ゼオライトにロジウム超微粒子を固定化することを試みた。しかしながら、A型ゼオライトにおいても水熱処理前後でロジウム超微粒子は約3nmと比較的小さなものから10nm以上の比較的大きなものへの凝集が起こっていることがわかった。このマイクロエマルション系ではロジウム超微粒子はアルミノシリケートゲルの表面近傍に存在しているため、水熱処理中に起こるアルミノシリケートの結晶化に伴って固定化されていたロジウム超微粒子とアルミノシリケートゲルとの相互作用が弱まり、ロジウム超微粒子が凝集しやすくなったものと考えられる。そこで、界面活性剤にカチオン性,アニオン性および非イオン性のものを用い、有機溶媒にも極性の異なる炭化水素類およびアルコール類を用いてロジウム超微粒子の固定化状態について検討した。その中で、界面活性剤にポリオキシエチレン(15)セチルエーテルを用い、有機溶媒としてヘキサノールを用いたときに、3nm程度のロジウム超微粒子がアルミノシリケートゲルの中心に位置し、完全に覆われることがわかった。
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