1997 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
09750858
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Research Institution | Osaka City University |
Principal Investigator |
朝見 賢二 大阪市立大学, 工学部, 助教授 (80202604)
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Keywords | メタン / 二酸化炭素 / 触媒 / 希土類 / アルカリ土類 |
Research Abstract |
本研究は、天然ガスの化学的利用の観点から、その主成分であるメタンと二酸化炭素からエタン、エチレンのC2炭化水素を選択的に合成するための触媒開発の基礎研究として2年間の予定で行っている。これまでに、一定条件下における30種以上の金属酸化物触媒によるスクリーニングテストを行った結果、希土類元素特にプラセオジム(Pr)、テルビウム(Tb)の酸化物がこの反応に優れた触媒特性を示すことが明らかとなっている。そこで本研究では、触媒の複合化により触媒活性、選択性の飛躍的向上をはかることを目的としている。 本年度の研究では、複合触媒としてPrまたはTbとアルカリ土類金属(Mg,Ca,Sr,Ba)を組み合わせた酸化物を調製し、その触媒挙動を調べた。研究実績の概要を以下にまとめた。 (1)複合化の前段として、Pr,Tb単独酸化物触媒の触媒調製条件や反応条件の違いによる影響を検討した。Pr,Tbいずれの場合にも、硝酸塩を焼成して得た触媒が良好な成績を与え、触媒の結晶形態や比表面積がC2収率、選択率に影響することも分かった。また、反応温度、接触時間、反応ガス組成の影響等を詳細に検討した。 (2)Pr,Tbとアルカリ土類金属の酸化物複合触媒を、硝酸塩混合水溶液にアンモニア水を添加する共沈法で調製し、仕込みモル比を1:1の触媒の活性選択性を標準条件で調べた結果、PrとSrの組み合わせが最も効果的であった。この系では、Sr含有率25〜75mol%では活性選択性に大きな違いはなく、50%の場合が最も高いC2収率、選択率を示した。 (3)X線回折の結果から、SrはPr203の欠陥フルオライト構造の結晶中のPrと同型置換してしていることが分かったが、活性選択性との関連は今後解明すべき課題である。
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Research Products
(1 results)