1997 Fiscal Year Annual Research Report
ホスホジエステラーゼを利用した有機溶媒中でエステル交換反応の開発
Project/Area Number |
09750866
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Research Institution | Kyushu Institute of Technology |
Principal Investigator |
大内 将吉 九州工業大学, 情報工学部, 助教授 (60242244)
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Keywords | リン酸エステル加水分解酵素 / エステル交換反応 / 有用物質生産 / ホスホジエステラーゼ |
Research Abstract |
ホスホジエステラーゼを有機溶媒中でのエステル交換反応の触媒として用いるために,酵素および基質の選択など,素反応の最適化を検討した。具体的には以下の方法によって研究を進めた。エステル交換反応に用いるホスホジエステラーゼとしては,5'-ヌクレオチダーゼ(venom),および,特定の塩基配列を認識し作用する制限酵素(BamHI,EcoRI)のヌクレアーゼを検討した。これらを触媒とした場合有機溶媒中での安定性および反応性を調べるために,モデル基質としては5'-ヌクレオチダーゼの加水分解反応の非活性基質でもあるビス4-ニトロフェニルホスファートを用いた。またアルコールとしてヌクレオシドの5'位および3'位の水酸基を想定し,イソブチルアルコールおよびイソプロピルアルコールを作用させエステル交換反応を行なった。有機溶媒としては,有機溶媒中での酵素反応に一般的に用いられるヘキサン,トルエン,アセトニトリル,クロロホルム,ジメチルスルホキシドを用いた。評価法として,生成物の高速液体クロマトグラフィーによる生成物の分離を目指したが,基質と生成物がともに解離のあるリン酸エステル化合物で性質が類似しているため,現段階で良好な結果を得ることはできていない。イオン性化合物であるリン酸ジエステルの効率的な分離の段階から再度検討を行うこととして,イオン対形成によるクロマトグラフィーによる分離を検討中である。以上の研究に加えて,ホスホジエステラーゼと同様のリン酸エステル加水分解酵素である,ホスホトリエステラーゼによるエステル交換反応,および加水分解による光学分割等の研究では目的とする成果が得られた。
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