1997 Fiscal Year Annual Research Report
特殊形状の電極における紫外・可視域の分光電気化学測定新手法の開発
Project/Area Number |
09750909
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Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
相楽 隆正 長崎大学, 工学部, 助教授 (20192594)
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Keywords | 特殊形状電極 / 水銀電極 / 電位変調紫外・可視反射分光 / テンサメトリー / 反射スペクトル / 分光電気化学 |
Research Abstract |
今年度の研究では、主に、水銀電極上での電位変調紫外・可視反射分光測定を可能にするための研究に取り組み、以下の新たな成果を得た。 1.水銀底を電極とした分光電気化学測定が、水銀滴とセル底との間に酸化還元不活性なイオン導電性透明ポリマーであるナフィオンを挟むことによって初めて可能になった。また、そのための測定系を世界に先駆けて確立できた。 2.上記の測定系を用いた電位変調紫外・可視反射分光測定により、水銀電極表面でのヘプチルビオロゲンの酸化還元反応、および酸化水銀の生成・消滅反応によるスペクトル応答を初めて測定することに成功した。従来の予想とは異なり、ヘプチルビオロゲンは還元されて生じたラジカルカチオン状態で、ほとんどダイマー化していないことが示された。 3.水銀プール表面を電極とした垂直入射光学系で電位変調紫外・可視反射分光測定を可能にした。この系を用い、溶液種メチルビオロゲンの酸化還元反応によるスペクトル応答を得ることができた。 4.水銀プール表面を電極とした垂直入射光学系で有機分子の吸脱着を測定した場合、表面張力変化による水銀表面の機械的振動が必ずしも電位変調に同期しないことが分かった。これは、水銀表面振動の非線形性によるものと考えられ、次年度の研究で改善のための検討を要する。 5.吊り下げ水銀電極上における長鎖色素プロープを混合したDOPC単分子吸着層のテンサメトリー応答をボルタンメトリにより得ることができた。この過程の分子メカニズムの検討を進めており、さらに電位変調紫外・可視反射分光測定によりキャラクタリゼーションすることが次年度の研究計画における重要課題である。 6.次年度の研究のために必要な金単結晶電極作製のための準備・予備的実験を計画通り終了した。
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[Publications] Takamasa Sagara: "Estimation of arorage orientation of sarface-cenfined chromophores an electnde surfaces using aketroreflectance spectroscopy" Electrochimica Acta. 43(印刷中). (1998)
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[Publications] Takamasa Sagara: "Electroreflectance Study of Hemin Adsorbed on an HDPG Electiode : Estimation of Molecular Orientation and Analysis of Non-faradnic Electroreflectame Signal Die to the Stark Effect" Journal of Physical Chemistry. 102・3. 521-527 (1998)
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[Publications] Takamasa Sagara: "An electroreflectance and photoelectrochemical study of hypericin at bare and modified gold electiode" Journal of Electroanalytical Chemistry. (印刷中). (1998)
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[Publications] Takamasa Sagara: "Recent Research Developments in Physical Chemistry(第2巻)分担執筆" Transworld Research Network, (159-173) (1998)