1997 Fiscal Year Annual Research Report
新規酸化物超薄膜作製法としての二次元ゾル-ゲル法の開発
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09750910
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Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
森口 勇 長崎大学, 工学部, 助手 (40210158)
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Keywords | 金属酸化物 / 超薄膜 / 二次元 / ゾル-ゲル法 / Langmuir-Blodgett / 酸化チタン / 酸化ジルコニウム / ヘテロ積層膜 |
Research Abstract |
本研究は,金属アルコキシドの加水分解・重縮合反応を気水界面で行わせ,二次元圧縮により均一なゲル薄膜とした後,Langmuir-Blodgett(LB)法により基板上に移し取り,適当な処理により酸化物超薄膜に変換する,という“二次元ゾル-ゲル法"について調べ,新しい酸化物超薄膜作製法としての特徴や可能性を明らかにすることを目的としている.今年度は,二次元ゾル-ゲル法の各プロセスでの薄膜生成過程を明確にするとともに,得られる酸化物薄膜の構造評価を行った.以下に,研究成果の概要を示す. (1)水面上にテトラブトキシチタン(TBT)の溶液を展開すると,部分的に加水分解・重縮合した浮遊性のゲルが生成し,これを二次元圧縮すると均一で緻密なゲル薄膜が得られた.また,水相や展開液に金属への配置能を有する有機化合物(酢酸,アセチルアセトン)を共存させると,TBTの加水分解・重縮合が抑制されて,より安定な浮遊性ゲル薄膜が得られることがわかった. (2)単分子膜を形成するオクタデシルアセトアセテート(C_<18>AA)をアルコキシドの展開溶液に加えると,単独では浮遊性ゲル膜を形成しないエトラエトキシチタンやテトラブトキシジルコニウム(TBZ)でも,C_<18>AAが配位した安定な浮遊性ゲル薄膜を形成した. LB法にてゲル薄膜の基板上への累積を試みたところ,TBT単独系は20層程度まで,C_<18>AA混合系は100層以上の連続的かつ定量的な累積ができた。 (4)TBTゲル薄膜,C_<18>AA混合ゲル薄膜は,500°C熱処理によりTiO_2やZrO_2薄膜へ変換され,その膜厚は,累積層数やアルコキシドとC_<18>AAの混合割合によりナノレベルでコントロールできた. (5)C_<18>AA混合系のTBTおよびTBZゲル薄膜を交互に30層ずつ累積し,熱処理したものは,TiO_2層とZrO_2層のヘテロ積層薄膜を形成していることがわかった.
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Research Products
(1 results)