1997 Fiscal Year Annual Research Report
自動合成を指向した光学活性ポリオール類の新規合成法
Project/Area Number |
09750933
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
菅 誠治 京都大学, 大学院・光学研究科, 助手 (50291430)
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Keywords | 自動合成 / 光学活性ポリオール / ホルミルアニオン / アルコキシメチルシラン / アセタール / 還元 / α-ヒドロキシアルデヒド / 付加反応 |
Research Abstract |
「合成ロボットを用いる自動合成」を指向した新規な光学活性ポリオール類の合成法の確立をめざし研究を行っている。具体的には、(1)アルデヒド類に対するホルミルアニオン等価体の高立体選択的な付加反応を新しく開発し、(2)これを合成ロボットで連続的に繰り返すことで、光学活性ポリオール類の合成へと発展させる、という2つの方法論を基盤とする。本年度は、分子内配位可能な酸素官能基を有するアルコキシメチルシランを新規なホルミルアニオン等価体の前駆体として選び研究を行った。上記の合成戦略を実現するためには、さまざまな種類のアルコキシメチルシランを合成してスクリーニングを行うことが必要であるが、一般にアルコキシメチルシラン類を対応するハロメチルシランへのアルコキシドの付加によって合成することは困難であることが知られている。そこでまず、このような化合物を合成する一般的な方法論の開発を目標として研究を進めた。市販のメトキシメチルトリメチルシランをNBSでブロモ化し、これにモノアルキル化したジオールを反応させてアセタールを得た後に還元することで目的とするアルコキメチルシランを知る方法を考えた。ブロモ化、およびアルコールの置換は定法によりすみやかに進行した。アセタールノ還元は、反応基質に応じてDIBALHあるいはルイス酸存在下でのヒドロシランを還元剤として使い分けることによって収率よく進行することを明らかにした。今後、新しく開発した合成法を利用して、(1)分子内にキラリィーを導入する、または(2)キラルな修飾剤を反応系内に添加し、アルキル金属でアルコキシメチルシランのケイ素のa位を脱プロトン化することにより発生させたアニオン種を「キラルなホルミルアニオン等価体」として用い、α-ヒドロキシアルデヒドに対するエナンチオ選択的な付加反応の検討を行う予定である。
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