1997 Fiscal Year Annual Research Report
プロパルギルパラジウム錯体の変換反応における複数効果
Project/Area Number |
09750951
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
生越 専介 大阪大学, 工学部, 助手 (30252589)
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Keywords | プロパルギル / パラジウム / 白金 / 平衡 / 異性化 |
Research Abstract |
本研究課題で取り扱うプロパルギルパラジウム錯体というのは有機合成化学においても重要な位置を占める錯体であり、この型の錯体を中間体として進行する触媒反応も数多くしられている。本研究においては単なる反応中間体の単離に留まらず、反応系中にて存在可能であると考えられるすべての型のプロパルギルパラジウム錯体を合成しそれらの相互変換が容易に起こり得ることを見いだした。この中には2核錯体も含まれている。またこれらの知見により今までは見過ごされてきた新しい反応が存在することも見いだした。一例としては、2核錯体の中心炭素に炭素求電子剤反応することを見い出した。本反応は、分子間の場合反応効率はそれほどよくないが、分子内反応の場合は非常に効率の良い反応であることが分かった。この際に生成する化合物は新しい炭素-炭素結合を中心炭素上で形成することになる。この反応性は以前にしられていた単核錯体の反応で見られる反応性とは全く逆になっている。 本年度に既に発表した内容としては以下に挙げておく。 中性の単核η^3-プロパルギルパラジウム錯体の合成と単離さらには構造決定を行った。また、この錯体はη^1-プロパルギルパラジウム錯体の2量体との平衡にあることを見い出した。 η^1-プロパルギルパラジウム錯体および白金錯体の異性化がゼロ価金属錯体により加速されることが分かった。この過程においても2核錯体が関与していることが明かになった。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] Sensuke Ogoshi: "Mechanistic Studies on mutual isomerization of propargyl-and allenylplatinum (II) complexes" Inorganica chimica Acta. 265. 9-15 (1997)
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[Publications] Ken Tsutsumi: "Synthesis,Structure,and Reactivity of Neutral η^3-Propargyl palladium Complexes" Journal of The American Chemical Society. 120・8. 1938-1939 (1998)