1997 Fiscal Year Annual Research Report
ヒドロシランを反応剤とする複素環化合物とカルボニル化合物との触媒的カップリング
Project/Area Number |
09750952
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
福本 能也 大阪大学, 工学部, 助手 (50273595)
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Keywords | イリジウムカルボニル / ヒドロシラン / イミダゾール / アルデヒド / カップリング |
Research Abstract |
複素環化合物は数多くの医薬、農薬等に含まれている重要な化合物群の1つであり、複素環上に収率良く、選択的に置換基を導入する反応の開発はそれらを合成するためにも非常に重要である。現在までに様々な導入法が開発されているが、多くの場合、複素環上の水素をいったん他の元素に置き換え、その後置換基を導入する、といった方法が採用されている。一方、水素を直接置換する反応も幾つか知られているが、収率、選択性共に満足な結果が得られていないのが現状である。 本研究では、イリジウム錯体を触媒に用い、ヒドロシランを反応剤として用いることにより、イミダゾールの2位の水素を他の元素に置換することなく、直接イミダゾールとアルデヒドとをカップリングさせる反応を見いだした。 本研究では、まず上記反応の反応条件を決定した。遷移金属錯体触媒としてはイリジウムカルボニル錯体が最もよく、他の錯体ではほとんど触媒活性を示さなかった。また本反応ではアセチレンジカルボン酸ジメチルの添加が必須であり、添加しない場合は副反応が多く進行した。ヒドロシランはケイ素上の置換基が小さいほどよく、ジエチルメチルシランが適当であった。かさ高い置換基を有するヒドロシランでは反応は非常に遅くなるか、または全く進行しなくなった。 種々のアルデヒドについて検討したところ、エステル基、シアノ基、アセタール基等様々な官能基を有するアルデヒドを用いても反応はアルデヒド部分でのみ進行した。またいくつかのN-置換イミダゾールでも反応は効率良く進行することがわかった。
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