1997 Fiscal Year Annual Research Report
新規不斉配位子の開発と触媒的不斉反応およびその応用
Project/Area Number |
09750959
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Research Institution | Okayama University of Science |
Principal Investigator |
今井 信行 岡山理科大学, 工学部, 講師 (20278906)
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Keywords | α-アミノ酸 / ジスルホンアミド / シモンズ-スミス型 / 触媒的 / 不斉反応 / シクロプロパン化 / アリルアルコール |
Research Abstract |
まず始めに、α-アミノ酸としてL-アラニン,L-バリン,L-ロイシン,L-フェニルグリシン,L-フェニルアラニンを取り上げ、これらを還元,スルホニル化,メシル化,アジド化,接触還元を経て、更にスルホニル化することにより目的とする種々のジスルホンアミド誘導体(1)を合成した。1を不斉配位子としてシンナミルアルコール(2a)のシクロプロパン化を検討したところ、本反応は触媒効果および加速効果を示して進行した。L-フェニルアラニン由来ジスルホンアミド体1a(R=PhCH_2,R^1=Me,R^<11>=p-NO_2C_6H_4)を不斉源として用いた場合に85%eeで相当するシクロプロパン誘導体(3a)が得られた[報告済:Tetrahedron Lett., 1997, 38, 1423]。また、4-(トリフェニルメトキシ)-2-ブテン-1-オール(2b)のシクロプロパン化反応においては、1b(R=PhCH_2,R^1=Me,R^<11>=p-MeC_6H_4)の存在下において89%eeという高い不斉収率を与えた(未報告)。 我々の方法では、市販のα-アミノ酸を原料として短行程で効率よく得られるジスルホンアミド体1を不斉源としているので、R,R^1,R^<11>の異なる数多くの誘導体を合成して本反応を検討することができる。また、α-アミノ酸の有効な合成法が数多く報告されているので、無限のジスルホンアミド不斉配位子を誘導することも可能である。シモンズ-スミス型触媒的不斉シクロプロパン化反応において、C_2-対称性を持たない不斉配位子の存在下このような高い不斉収率を与えたのは初めて例である。
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