1998 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
09750966
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
斎藤 礼子 東京工業大学, 工学部, 助手 (30225742)
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Keywords | フラワーミセル / ミクロゲル / トリブロック共重合体 / 橋かけ / ループ構造 |
Research Abstract |
本年度は、ループ状シェル鎖の特性の評価を行うことを主な目的とした。前年度に合成したポリマーミクロゲル(ポリ(2-ヒドロキシエチルメタクリレート)(PHEMA)コア-ポリスチレンシェル)では、任意の量のシェル鎖の切断とその定量ができなかった。このため、本年は新たに、シェルに紫外線吸収の低いポリ(tertブチルメタクリレート)(PBMA)を用い、任意の量のシェル鎖を切断し、ループ鎖の量を制御し、ポリマーの濃厚溶液での挙動に及ぼすシェル鎖の構造の効果を測定した。 始めに出発原料としてPHEMA-block-PBMA-block-PHEMAブロック共重合体(Bl;分子量3.2X10^4、HEMA15mol%,B2;分子量3.4X10^5、HEMA9.8mol%)を合成した。 これらのポリマーをベンゼン/アセトン混合溶媒中で、ミセル化した。その結果、Blでは、ベンゼン60%にて流体力学的半径(Rh)35nmの、また、B2ではベンゼン25%にてRh=5.2nm単分散なポリマーミセルが形成された。このミセルのコアの部分を1、6-ヘキサンジイソシアネートを用い、橋かけした結果、単分散なポリマー微粒子が合成できた。 得られたポリマー微粒子/選択溶媒系、及び、ブロック共重合体/選択溶媒系の濃厚溶液の粘度を、Brookfield型Corn-Plate回転粘度計を用い測定した。その結果、いずれのポリマーでも、橋かけ前は溶液の濃厚化に伴い、ブリッジが形成され、溶液粘度が急激に上昇したが、フラワー型ポリマーでは粘度は高濃度の領域でもEinstein式でよく近似された。また、シェルを切断した系では、高濃度では粘度はブロック共重合体系よりも低いものの、Einstein式からのずれが顕著となり、フラワー型ポリマーの持つループ鎖の効果によりポリマー間の絡み合いが抑制されていることがわかった。 また、前年度の研究成果をIUPAC,MACRO'98で公表した。
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[Publications] Reiko Saito(斎藤礼子): "Flower shaped microgel 3 ; synthesis of poly(2-hydroxyethyl methacrylate)core-polystyrene shell type microgels" Polymer. 40巻. 655-660 (1999)
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[Publications] Reiko Saito(斎藤礼子): "Synthesis of the flower type microgels" Colloids and Surfaces A : Physicochemical in Engineering Aspects. (印刷中).