1998 Fiscal Year Annual Research Report
遷移金属錯体触媒を用いる新規縮合系ポリアミン生成反応の開発
Project/Area Number |
09750972
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Research Institution | University of Toyama |
Principal Investigator |
神原 貴樹 富山大学, 工学部, 助教授 (90204809)
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Keywords | パラジウム錯体 / 重縮合 / 炭素-窒素結合生成 / ポリアミン / 高分子反応 / アゾベンゼン |
Research Abstract |
昨年度の研究成果に基づき、パラジウム錯体を触媒として用いる炭素-窒素結合生成反応を種々の二官能性のジハロゲン化アリールと芳香族1級ジアミンをモノマーとする重縮合反応に適用し、新規のポリイミノアリーレン類の合成について検討した。得られたポリマーの収率・分子量等を比較した結果、モノマーに各種電子供与性もしくは電子吸引性置換基を導入した場合でも、重合反応性にはほとんど影響せず、いずれも高収率で高分子量のポリイミノアリーレン類を生成できることが分かった。また、ここで得られたポリマーのほとんどは極性有機溶媒に可溶であり、構造解析の結果、ほぼ架橋構造を含まないことが確認された。但し、モノマーとしてジブロモチオフェン等の複素環化合物を選択した場合には、ポリマーがほとんど得られず、反応条件の更なる最適化が課題として残されている。 次に、昨年度及び上記の結果を基に、パラジウム錯体触媒を用いる炭素-窒素結合生成反応を高分子反応に適用し、汎用性樹脂の側鎖への機能性分子の導入について検討した。ここではポリマーとしてポリ(p-ブロモスチレン)を、導入分子としてN-フェニルアミノアゾベンゼンを選択し、いくつかの条件で高分子反応を検討した結果、ポリスチレン側鎖へのアミノアゾベンゼン基の導入はほぼ定量的に進行することが分かった。また、ジブロモベンゼンとアミノアゾベンゼンの重縮合反応からもアゾベンゼン側鎖を有するポリイミノアリーレンが合成できた。得られたポリマーは、側鎖のアミノアゾベンゼンの性質を反映したフォトクロミック特性及び酸・アルカリによる色調変化を示した。これらの結果は、今後の研究を通じて様々な機能性分子を側鎖に導入したポリスチレン及びポリイミノアリーレンの合成に応用できるものと考えられる。
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[Publications] Takaki Kanbara: "Palladium-catalyzed Modification of Poly(p-bromostyrene) with 4-(Phenylamino)azobenzene. Optical Properties of New Azobenzene-Group Containing Polystyrene" Journal of Polymer Science: Part A: Polymer Chemistry. 36. 2155-2160 (1998)
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[Publications] Takaki Kanbara: "Preparation of New Polymers Containing an Azobenzene Group in the Side Chain by Palladium-Catalyzed Polymer Reaction and Polycondensation and Characterization of the Polymers" Macromolecules. 31. 8725-8730 (1998)
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[Publications] Takaki Kanbara: "Preparation of Soluble Poly(iminoarylene)s by Palladium-catalyzed Polycondensation of Aryl Dibromides with Aryl Primary Diamines" Polymer Journal. 31. 206-209 (1999)