1997 Fiscal Year Annual Research Report
個体表面における高分子の自発的な組織化とパターン形成
Project/Area Number |
09750980
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
KARTHAUS Olaf 北海道大学, 電子科学研究所, 助手 (80261353)
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Keywords | 高分子 / メゾスコピックパターン / ドット、ライン、ネットワーク構造 / 二次元配列 / マイクロ電極 / 光電流 / ディウェッティング |
Research Abstract |
液体による表面のウェッティングやディウェッティングに関する研究に大きな関心が寄せられている。最近、本研究代表者はディウェッティングにより生じる固体基板上での高分子薄膜の破壊がランダムには起きないこと見い出し、高い規則性を持つメゾスコピックなネットワーク構造やパターン化したドット構造を形成することに成功した。本研究の目的は、これらメゾスコピックパターン形成に関するメカニズムの解明、形成された構造の固定化と安定化、さらにこの構造に機能性分子を組み込むことである。今年度に得られた成果を以下に示す。 1.一般に、疎水性かつアモルファスな高分子を用いるとパターン形成は可能である。基板上でのディウェッティングによって生じる高分子会合体のサイズは100nmから数μmで、これは高分子の特性(分子量、分子構造)、基盤の表面特性(凹凸、親、疎水性)に依存することが知られる。本研究では、キャスト法によるメゾスコピックパターンの作製について検討した。その結果、キャストするポリマー溶液の溶媒、ポリマー濃度、ポリマー溶液を基板上にキャストする際の湿度、温度に依存したパターン形成(ドット、ライン、ハニカムネットワーク)を見出した。 2.これらパターン形成のメカニズムを解明するめに、ビデオイメージングによるキャストフィルム形成過程のその場観察をおこなった。ラインおよびドット構造を形成する場合、固体基板上にキャストした高分子溶液が蒸発する過程で気/固/液の3相境界線がフィンガーリング不安定化を起こすことが観察できた。 3.光機能性ポリマーであるポリヘキシルチオフェンを用いたラインパターンを作製し、マイクロ電極を用いてライン1本の光電流を測定した。このラインには暗電流の他に、光電流も生じることを見出した。
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Research Products
(1 results)