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1997 Fiscal Year Annual Research Report

物理ゲルの架橋点の形成過程と構造

Research Project

Project/Area Number 09750983
Research InstitutionThe University of Tokyo

Principal Investigator

池原 飛之  東京大学, 大学院・工学系研究科, 助手 (90242015)

Keywordsポリビニルアルコール / 重水 / ゲル化 / パルス法NMR / 架橋点 / 微結晶 / スピンスピン緩和時間 / スピン拡散
Research Abstract

今年度は、ゲル化試料としてポリビニルアルコール(PVA)、溶媒として重水を用い、パルス法NMRでそのゲル化挙動を解析した。NMRの共鳴核にはプロトンを用いた。試料であるPVAはOH基を持っているため、そのまま重水に溶解させると重水の重水素とOH基の水素が交換して溶媒中にプロトンが拡散してしまう。こうなると高分子鎖のみの信号を得ることができなくなるため、溶媒への溶解、溶媒の蒸発を2、3回繰り返し、OH基のHをDにして測定を行った。以下に今年度得られた知見を示す。
1.PVA水溶液の、各濃度におけるゲル化点を求め、相図を作成した。そのときのゲル化時間も併せて測定した。それに基づきパルス法NMR測定の測定条件を決定した。
2.ゲル化温度より高温に置いたPVA水溶液を、ゲル化温度に設定したNMRプローブ内に移し、そのゲル化過程を、スピンスピン緩和時間(T_2)を測定することにより解析した。その結果、測定したゲル化時間よりも後に微結晶に起因する成分が出現することから、架橋点の形成はまず水素結合で起こり、その後微結晶が生成されるということが分かった。
3.同じ試料に対してスピン格子緩和時間(T_1)と回転系でのスピン格子緩和時間(T_<1p>)の測定を行った。T_<1p>測定では、分離できた成分数がT_2測定の場合と同じだったが、T_1測定では成分数が少なかった。これはスピン拡散に起因するもので、微結晶サイズが数10から100nm程度であることを示している。

URL: 

Published: 1999-03-15   Modified: 2016-04-21  

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