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1997 Fiscal Year Annual Research Report

応力による可逆的結晶転移を示す繊維状高分子の構造解析による相転移機構の解明

Research Project

Project/Area Number 09750984
Research InstitutionTokyo University of Agriculture and Technology

Principal Investigator

野口 恵一  東京農工大学, 工学部, 助手 (00251588)

Keywords脂肪族ポリエステル / 生分解性 / 構造転移 / 繊維状物質 / 結晶構造 / 分子構造 / X線回折 / コンホメーション
Research Abstract

本研究では、応力による高分子結晶の相転移機構を分子レベルで明らかにすることを目的として、ポリテトラメチレンサクシネート(PTMS)、ポリエチレンサクシネート(PES)をはじめとする脂肪族ポリエステルの結晶構造解析を進めている。今年度は以下のような研究成果をあげることができた。
1.試料調整
構造解析に適したX線回折像を得るために、延伸温度、延伸倍率、熱処理温度などの試料調整条件の最適化を行った結果、PES、ポリテトラメチレンアジペ-ト(PTMA)については非常に良好な試料を得ることに成功した。
2.X線回折データの収集
繊維状試料の延伸倍率を変化させながら、イメージングプレートを装備したカメラシステムでX線回折測定を行った。PTMSに関しては安定結晶相(α型)試料を約26%延伸することにより新結晶相(β型)に転移することをすでに明らかにしていたが、PESは約35%の延伸によりβ型に完全に転移することを新たに確認した。また、わずかな化学構造の違いにも関わらず、PTMAは延伸と緩和による結晶相転移を示さないことがわかった。
3.結晶構造解析と分子レベルでの構造転移機構の検討
従来より解析を進めていたPTMSについては結晶構造を決定することができた。この結果、α型からβ型への結晶相転移はα型でGTGのコンホメーションをとっているテトラメチレン部分がTTTに変化することにより生じており、他の部分の分子構造や分子鎖のパッキングは転移前後でほぼ維持されていることがわかった。一方、PESβ型は分子鎖一本のコンホメーションと分子軸方向から眺めた分子鎖のラテラル方向のパッキングには規則性があるが、分子鎖の相対的な高さに乱れがある結晶相であることがわかった。解析の結果、分子鎖のコンホメーションは平面ジグザグであり、そのパッキングはポリエチレンに非常に類似していた。PTMAについては現在解析を進めている。

URL: 

Published: 1999-03-15   Modified: 2016-04-21  

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