1997 Fiscal Year Annual Research Report
強い衝撃波背後の非平衡領域における絶対強度の分光計測
Project/Area Number |
09751008
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
木原 尚 九州大学, 工学部, 助手 (60243911)
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Keywords | 衝撃波 / 非平衡 / 分光 |
Research Abstract |
本研究は再利用型の宇宙往還機が大気圏に再突入してくる際に、機体の前方に強い衝撃波が発生する。機体の周囲は希薄であり、飛行速度も速いために衝撃は背後の流れ場は熱的、科学的に非平衡な流れ場となる。この非平衡な流れ場が、研究対象である。 科学研究費を補助していただいてからは、このテーマに関しては学会発表、または投稿論文はない。現在の進行状況は、衝撃波マッハ数20(7km/sec)程度の強い衝撃波を、フリーピストン型衝撃波管を用いて発生させ、その背後の平衡領域における可視光域の発光(この場合ほとんどが窒素分子と窒素分子イオンの電子励起状態間の遷移)をポリクロメーターを用いて多波長を同時に分光している。その際に、本科学研究費補助金により購入したゲートパルスジェネレーターを用いて、衝撃波背後サブミリの精度の位置で発光をサンプルすることができるようになった。平衡状態におけるデータを蓄積した後に非平衡領域(現在の条件では数ミリ程度)の分光計測に取り掛かる予定である。 同時に衝撃波背後の数値計算を行っている。衝撃波背後の並進温度、回転温度、振動温度、電子温度を計算し、各温度と衝撃波によって加熱された気体の各成分の数密度から、その高温気体が発する光を計算するものである。実験との整合性はあまり良くない。データの欠如と思われるような未発光の領域などが見受けられる。また、用いられている分光学的定数がかなり古い(1950代)等の原因も考えられる。こちらもなるべく新しい多くのデータを元に検討してゆきたいと考えている。
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