オブジェクト指向言語を利用した船舶航行の自動化支援システムの開発に関する研究

1997 Fiscal Year Annual Research Report

• Project/Area Number: 09751021
• Research Institution: Kyushu University
• Principal Investigator: 古川 芳孝 九州大学, 工学部, 助教授 (90253492)
• Keywords: 自動航行 / 衝突回避 / オブジェクト指向 / ファジィ推論 / 操縦運動 / 避航動作

Research Abstract

本研究においてはオブジェクト指向言語を導入して船舶を一つのオブジェクトとして表現し,船舶が輻輳海域を航行する場合の操船システムについて研究を行っている。また,船舶の航行中に生じる他船や岸壁等との衝突の危険性について判断を下すシステムとして,ファジィ推論を利用した衝突回避や針路誘導のアルゴリズムについて検討を行い,輻輳海域を航行する船舶の自動航行システムを開発することを目的としている。
本年度は,まず始めに,複数の船舶が行き合い,あるいは追い越しを行う場合を対象として,個々の航行船舶を一つのオブジェクトとして表現し,対象海域内の船舶の運動をモデル化する手法について検討を行った。また,各オブジェクト(船舶)間において共有することが可能,不可能である情報について整理・検討を行うとともに,GPSやレーダー等を利用して入手可能な情報についてモデル化を行った。また,自動航行システムを用いて安全に船舶を航行させるためには,周囲の状況に応じて自船が進むべき航路を決定し,新たに設定した航路への針路変更を速やかに行う必要がある。本研究においては,周囲の船舶の運航状況に応じた危険度の判断ならびに針路変更のための操舵量の決定に対して,ファジィ推論を用いたアルゴリズムの検討を行った。その結果,ファジィ推論を用いない場合と比較して,柔軟な状況の判断が可能となり,また新航路への針路変更も滑らかに行うことが可能であることが分かった。