1997 Fiscal Year Annual Research Report
岩盤不連続面における透水経路の観察および貯留特性に関する研究
Project/Area Number |
09751035
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Research Institution | Yamaguchi University |
Principal Investigator |
大西 康智 山口大学, 工学部, 助手 (00274184)
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Keywords | き裂 / 透水 / 岩盤 / 遮水プラグ / 画像解析 / 模型試験 / 熱伝導 |
Research Abstract |
平成9年度において,モルタルと岩盤の接合面中を流れる流体の透水挙動の径時変化を観察した.本研究は花崗岩採石場より採取した岩塊を割岩し,その破砕面を用いて精密な岩盤レプリカ(以下レプリカと呼ぶ)を作成した.このレプリカにモルタを打設し,レプリカとモルタルの接合面中に着色水(トレーサー)を圧入した.実験に際しては,平成8年度に作成したき裂の透水挙動観察装置を用いた.着色水の接合面への圧入は,コンプレッサーを用いて着色水の入った圧力タンクに空気圧を作用させることにより行った(実験は注入圧0.1および0.2Mpaで行った).また,モルタルを打設した供試体は,実験装置に設置された水槽内で行ったため,含水飽和状態である.着色水の流域拡大の径時変化はデジタルビデオカメラで録画した.得られた原画像からでは着色水の流域拡大の様子を肉眼で確認することは非常に困難であった.そのため,原画像にコンピュータを用いて画像処理を施すことにより,着色水の流域拡大の様子を鮮明に得ることに成功した.得られた画像処理後の流域拡大の様子およびその透水経路は非常に興味深いものであった. 本研究において得られた知見を以下に示す. 1.接合面中の流れは着色水の流域拡大の様子から,面状に拡大する領域と線状に拡大する領域の2種類の領域が同時に存在することが認められた.面状に拡大する領域は主に注入孔付近で発生し,注入孔よりある程度離れた位置では線状に拡大する領域へと変化することが認められた. 2.接合面中の流れは,線状に拡大する領域でのみダルシー則を適用することが可能であることが認められた. 3.線状に拡大する領域においては,一定流速で流れる流れと,停留・移動を繰り返す流れが認められた.また,それらの流れが同時に発生していることも認められた.
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